「脳科学は人格を変えられるか?」を読んで記憶に刻み込みたい部分をブログに書いてみた②

 前回の記事に引き続き、脳科学は人格を変えられるか?(エレーヌ・フォックス著、文春文庫)を読んで、特に勉強になった部分をいつでも思い出せるようにブログに書いていきます。

 なお、以下は本書を読んで学んだことを私のフィルターを通して書いた文書なので、本書が伝えたいことを正確に知りたい場合は、実際に本を手にとって読んでいただきたいと思います。

人間の行動の基本にあるものは「報酬への接近」と「危険の回避」である

  • あらゆる生物にとって生き残る可能性を最大化する手段は、食物や性交などの良きものに接近すること、そして捕食者や毒などの危険なものを避けることである。
  • 人間の行動は全て、報酬へ接近する習性と危険を回避する習性から生まれている。
  • 報酬と脅威を選択的に認識する能力は、生まれ落ちた瞬間から人間になくてはならない資質である。
  • 快楽に向かうこと、危険を避けることの2つの巨大な動機づけが、人間の脳内に快楽の回路(サニーブレイン)と恐怖の回路(レイニーブレイン)を形成させた。
  • 快楽の回路 (サニーブレイン) は、生存上良いものを確実に人間に探し求めさせる役目を果たす。恐怖の回路 (レイニーブレイン) は、絶えず危険に目を光らせ、予測不能な世界の中で身の安全を守る役割を果たす。
  • サニーブレインとレイニーブレインは、常に世界を監視し、日常に潜む快楽や危険を人間が確実にキャッチできるようにしている。
  • サニーブレインとレイニーブレインのせめぎあいが、物事の認識にバイアス(偏り)をもたらし、人それぞれのマインドセットを形成する。

 本書では、上記のとおり、人間の行動の動機は「報酬の接近」と「危険の回避」に集約されることを教えてくれます。

 日常生活で行う様々な意思決定において、自分が「報酬の接近」の動機に基づいて行動しているのか、「危険の回避」の動機に基づいて行動しているのか、またはその両方の動機に基づいて行動しているのかを考えてみてください。

 すると、自分の思考のバイアス(人間が知らず知らずのうちに持ってしまっている偏った見方)を感じることができると思います。

 そうすることで、自分の思考のバイアスが有効に作用しているのか、それとも行き過ぎてしまっているのかを冷静に考えることができ、意思決定のクセを修正をする機会を得ることができます。

 他人の意思決定に対しても、 「報酬の接近」と「危険の回避」 を当てはめて考えてみることをおすすめします。

 そうすることで、他人の行動の動機の本質に気づきやすくなり、対人関係で心理的有利を取りやすくなります。

心のクセ「注意バイアス」

  • 他をさしおいて、何かに注目する心の傾向を「注意バイアス」と呼ぶ(注意を向けていない音声は認識できないが、自分の名前が呼ばれたとたん、音声を認識し、注意を向ける動きが注意バイアスの一例)。
  • 人は、注意バイアスを全く意識していない。脳が身の回りで起こる物事をレーダーのように分析・調査し、自分に一番関心のある物事を見逃さないように自動運転しているためである。

 本書では、上記のように、人には注意バイアスがあることを教えてくれます。

 否定的なことに反応する人は、否定的なことに着目する注意バイアスが形成されている人だと判断できます。

 逆に、肯定的なことに反応する人は、肯定的なことに着目する注意バイアスが形成されている人だと判断できます。

 その人が何に反応するのかを観察すると、その人が持っている注意バイアスを推察することができます。

 対人関係を攻略する一歩として、「この人の注意バイアスは何かな」などと考えて、人の注意バイアスを推察できるとよいですね。

真の楽観主義者

  • 楽観的な思考と、行動を思考する性質とが結び付いてこそ、楽観は様々な利益をもたらす。
  • 「こうなってほしい」と期待するのが楽観主義だと思ったら大間違いである。
  • 「ポジティブに思考すれば、良い出来事が勝手に起こり始める」という考え方は、現実からかけ離れ、信仰の域に堕ちている。
  • 人の生活の質の差に大きく関わるのは、「ポジティブに思考する力」よりも「ポジティブな行動を起こす力」である。楽観がもたらす実りを収穫する役は、思考ではなく、行動が果たす。
  • 真の楽観主義者は、困難に直面しても簡単にはあきらめず、倍の努力をしてでも問題を克服する道を見つけ出そうとする。

 本書では、上記のように、ポジティブに物事を考えるだけでは利益をもたらさない、ポジティブ思考に行動が加わることで利益をもたらすと説明します。

 目指すべきは、ポジティブ思考+行動です。

 頭で考えているだけでは価値を生み出しません。

 楽観と行動を結び付けることができる真の楽主義者を目指しましょう。

楽観とは認知上のトリックである

  • 楽観は、毎朝、人が寝床から起き上がるのを可能にする力である。
  • 楽観とは本質的には認知上のトリックだ。このトリックのおかげで人は、懸念事項や起こりうる問題や予想外の危機を過剰に心配しなくてすむ。

 本書では、楽観はトリックだといいます。

 楽観のおかげで人はふさぎ込んだり、行動を起こせなくなることを防ぐことができます。

 楽観はトリックだという捉え方ができると、楽観を意図的に日常生活に組み込んでいくことができます。

 楽観というトリックを自分にかけて、狙って自己洗脳できるとベストです。

 ネガティブに支配されて動けなくなるよりはマシです。

 楽観は人生にアクティブに取り組むために必要な姿勢です。

ポジティブ感情の拡張効果

 本書の著者の実験により、ポジティブな気分になっていた学生は、暗い気分になっていた学生より良い成績をおさめることができることが分かっています。

 これは、喜びや幸福などのポジティブな気分でいるとき、人の思考の幅は自然に拡張し、より創造的になり、枠にとらわれずに考えることができるようになるためです。

 本書では、これを「ポジティブ感情の拡張効果」といっています。

 ビジネスコンサルタントやセミナー講師は、よく「ワクワクした気持ちで仕事をすることが大切」といいます。

 これを脳科学的にいうと、「ポジティブ感情の拡張効果をねらっていくことが大切」と言い換えることができます。

 ポジティブな精神状態で仕事に取り組めているときは、視野が広くなり、想像力豊かな仕事ができますよね。

 逆に、ネガティブな精神状態では、不安・緊張・恐怖で脳のリソースが奪われ、思考領域が狭くなり、上司などの目が気になって自分の意思で仕事ができなくなります。

 この状態では、負のスパイラルに陥り、必然的に不幸な結果が導かれます。

 こうらないために、ワクワクした気持ちで仕事をしましょう(ポジティブ感情の拡張効果をねらって仕事をしましょう)。

まとめ

 楽観やポジティブ推しの話をしましたが、現実は、楽観やポジティブを保つのは難しいのです。

 日本人のほとんどが悲観やネガティブ寄りのマインドではないでしょうか。

 理由は、楽観やポジティブより、悲観やネガティブの方が圧倒的な力を振るうからです。

 次回の記事では、この記事の続きとして、悲観やネガティブについてお話しします。

関連記事まとめ

その1

「脳科学は人格を変えられるか?」を読んで記憶に刻み込みたい部分をブログに書いてみた①

その2

「脳科学は人格を変えられるか?」を読んで記憶に刻み込みたい部分をブログに書いてみた②

その3

「脳科学は人格を変えられるか?」を読んで記憶に刻み込みたい部分をブログに書いてみた③

タイトルとURLをコピーしました