「脳科学は人格を変えられるか?」を読んで記憶に刻み込みたい部分をブログに書いてみた③

 前回の記事に引き続き、脳科学は人格を変えられるか?(エレーヌ・フォックス著、文春文庫)を読んで、特に勉強になった部分をいつでも思い出せるようにブログに書いていきます。

 なお、以下は本書を読んで学んだことを私のフィルターを通して書いた文書なので、本書が伝えたいことを正確に知りたい場合は、実際に本を手にとって読んでいただきたいと思います。

人間はポジティブよりネガティブなものに強く引かれる

  • 人間の脳は、全ての情報を平等に扱わず、危険にかかわる情報を優先的に処理する。これは、あらゆる局面で生きのびる可能性を最大化するためである。
  • 脳の恐怖回路は、楽しそうな情報は二の次にして、危険を満載した情報ばかりにスポットをあてる。危険があれば即座にそれを拾い上げ、脳内で起きている他の作業を停止させ、全てを危険に集中させる。
  • ポジティブよりネガティブなものに強く引かれる人間本来の傾向があるからこそ、物事を楽観的に考えるのは悲観的に考えるよりずっと難しい。人を怖がらせるのは、安心させるよりはるかに簡単である。
  • 人間には、良い面よりも悪い面に目が行くようなバイアスが確立されている。
  • 恐怖の引き金を引くのは一瞬だが、その結果生じた不安は長く尾を引く可能性がある。恐怖の記憶は簡単には消えず、一度ネガティブな方向に向けられた心は、世界を悲観的に見るようになりがちだ。

 本書は、人間には、生存可能性を高めに、ネガティブなものに強く引かれる性質があることを教えてくれます。

 人間の脳は、不安や恐怖などのネガティブ情報に強く引かれるようにできています。

 その理由は、ネガティブ情報に敏感に反応できる人間の方が生き残って子孫を残す可能性が高かったためであり、私たちは、そのようにして生き残った人間の子孫だからです。

 そのため、不安や恐怖なのどネガティブ情報に敏感に反応するように私たちのDNAはできています。

 さらに悪いことに、ネガティブ感情は、ポジティブ感情を淘汰するだけでなく、もっと巨大なネガティブを引き起こします。

 さらにさらに悪いことに、不安や恐怖などのネガティブ感情は簡単には消えず、記憶に残り続けます。

 これは、脳には可塑性(かそせい:個体に力を加えて変形を与えたとき、力を取り去ってもひずみが残る性質)があるためです。

 このように、私たちは、ポジティブより、ネガティブになるようにできているのです。

だからこそポジティブになる訓練をすべき

 現代は、狩猟採取時代に比べれば、はるかに安全が保障された社会です。

 生きるにあたり、自分の命を守るために危険に敏感に反応する原始的機能は必要ありません。

 私たちは、このネガティブに向かう本能を是正し、思考がポジティブな方向に向かうように脳回路を再形成する努力を意識的に行わなければなりません。

脳は変化する

  • 脳は新しい何かに常に反応し続け、人間が生まれた瞬間から死ぬ瞬間まで絶えず何かを学び、変化する。
  • 脳の中にあるニューロンの複雑なネットワークや神経線維の経路は、絶え間なく何かに反応し、適合し、自身を再配列する。
  • この脳の柔軟性こそが私たちに、世界観を変化させるチャンスを与えてくれる。

 本書では、脳の性質を上記のように説明しています。

 脳が変化する仕組みを理解し、脳が変化することで自分の世界を変えるチャンスがくることを覚えておきましょう。

自分がコントロールしているという感覚が幸福度に影響を与える

  • 状況を自分でコントロールできることは、幸福度を左右する重要な要素である。
  • 困難な状況に陥っても、状況をわずかでも制御できると信じれば、対処しようとする気持ちが起こりやすい。
  • 自分で制御がきなかい状況は、胃潰瘍などのストレスに関連した疾患につながることがあきらかになっている。

 本書では、状況のコントロールと幸福度・ストレスについて説明しています。

 私は、新しいバイトを始めたとき、新社会人になったとき、新しい部署に異動したときに不安、恐怖、ストレスに襲われたことを覚えています。

 不安、恐怖、ストレスの原因は、仕事が分からず、状況を自分でコントロールできないことに起因していると今なら分かります。

 つまり、そのような不安、恐怖、ストレスを消すためには、「状況を自分でコントロールできる状態」になることを目指せばよいということです。

 新しい環境に身を置くことになったときは、爆速で「状況を自分でコントロールできる状態」 を獲得しに行きましょう。

 「状況を自分でコントロールできる状態」 にすることができれば、不安、恐怖、ストレスが消え、逆に自信にあふれ、ポジティブ感情になれます。

 自信にあふれ、ポジティブ感情になれば、「ポジティブ感情の拡張効果」により、思考領域が広がり、発想力が高まり、成果を出しやすくなるスパイラルに入れます。

 職場で仕事ができる人は間違いなくこのスパイラルに入っています。

損失回避バイアス

  • 心理学者ダニエル・カーネマンは、認知バイアスの研究でノーベル賞を受賞した。認知バイアスとは脳内に備わった意思決定を早めるためのショートカットのことである。役立つこともあるが、合理性を欠き、バイアス(偏り)を生じさせることも多い。
  • 認知バイアスの代表的なものに「損失回避バイアス」がある。一ドルを得る喜びと一ドルを失う痛みは、合理的に考えれば同等のはずだが、人間の心理上は、一ドルを失う痛みの方が一ドルを得る喜びよりはるかに大きい。

 本書は、上記のように、人間には損失回避バイアスが備わっていることを教えてくれます。

 2019年は、老後に備えるために、国が国民に対して資産運用を正式に推奨した年でした。

 にもかかわらず資産を運用しようとする人はほとんどいないですよね。

 これは失うことの方に強い痛みを感じる損失回避バイアスが影響しているからともいえるでしょう。

 投資リターンがあることを想像して、痛みに耐え、手元にある金を手放すことができないのです。

 このように日常生活において、損失回避バイアスが発動し、合理的な行動がとれない場面はたくさんあるので、損失回避バイアスの存在を認識し、修正を行う努力が必要です。

フロー状態

  • フロー状態とは、時間の経過も忘れるほど何かに没頭し、高揚感に満たされている状態をいう。
  • ゲームはプレーヤーを没頭させる、言い換えるとフロー状態を生み出すようにデザインされている。

 本書は、上記のようにフロー状態について説明しています。

 最近では、フロー状態がビジネスに利用されていて面白いと思うので少し話をします。

 私は学生の頃ゲーム好きだったので、一日5~6時間ゲームをしていました。

(このゲームをやっている状態が、心理学的にはフロー状態だったということを今になって考えると興味深い。)

 フロー状態になると脳からドーパミンが分泌されて集中力が高まります。

 ドーパミンは脳内麻薬なので依存性を発現します。

 だからゲーム好きはゲームをやめられないのです。

 現在、このフロー状態を使ったビジネスが世界を設計しています。

 そのビジネスとはスマホのアプリです。

 世界最高峰の頭のいい人たちが、人をフロー状態にして脳からドーパミンを分泌させて依存状態にさせるアプリ開発に躍起になっています。

 代表的なものが、Twitter、Facebook、LINEなどのSNSです。

 皆さんもスマホのアプリを一日に何回も無意識にあけていることと思います。

 もうすでに依存状態になっている証拠です。

 とはいえ、フロー状態は仕事や勉強で使えれば超有益なので、使うべきところで使っていきましょう。

まとめ

 以上で3回にわたり書いてきた『「脳科学は人格を変えられるか?」を読んで記憶に刻み込みたい部分をブログに書いてみた』の記事は終わりです。

 良書なので、皆さんも本を手に取って読んでみてください。

関連記事まとめ

その1

「脳科学は人格を変えられるか?」を読んで記憶に刻み込みたい部分をブログに書いてみた①

その2

「脳科学は人格を変えられるか?」を読んで記憶に刻み込みたい部分をブログに書いてみた②

その3

「脳科学は人格を変えられるか?」を読んで記憶に刻み込みたい部分をブログに書いてみた③

タイトルとURLをコピーしました