学習

【マシュマロ実験】社会で成功しない人の特徴→自制心がない

人は「あとでもらえる報酬」よりも「今すぐもらえる報酬」に価値を感じる

 あなたならどちらを選びますか?

  • 今すぐに100円もらえる
  • 一週間後に110円がもらえる

 私は、今すぐ100円をもらう方を選びます。

 合理的に考えれば、1週間後に110円をもらった方が得です。

 しかし、心情として、お金をもらうのを先延ばしにするのが気持ち悪いので、今すぐもらっておきたいと思うのです。

 このような心の動きになるのは、脳反応からも証明されています。

 脳には、側坐核(そくざかく)という、人に快楽を追求させるため、報酬信号を発信する部位があります。

 側坐核の脳反応を確認したところ、将来もらえる報酬よりも、今すぐもらえる報酬について考えているときの方が、大きな報酬信号が生成されることが分かっています。

 人間には、後でもらえる報酬よりも、今すぐにもらえる報酬に飛びつきたくなる本能がプログラムされているのです。

 「あとでもらえる報酬」が、事情の変化により、もらえなくなる可能性があることからも、「今すぐもらえる報酬」の方に脳が価値を感じるのは自然といえます。

「今すぐもらえる報酬」より「あとでもらえる報酬」を選べる人が社会的に成功する

 今100円をもらう選択をした人より、あとで110円をもらう選択をした人の方が経済的な成功者です。

 本能にあらがえるほどに知性を鍛えている人が成功するのです。

 このことを明らかにした実験があります。

マシュマロ実験

 アメリカのスタンフォード大学で以下の実験を行いました。

  • 4歳の子ども1人を、マシュマロが1個置いてある机のある部屋に通す。
  • 実験者は、子どもに対し、「私はちょっと用がある。私が戻ってくるまでの15分間マシュマロを食べるの我慢したら、もう1つマシュマロをあげる。私がいない間にマシュマロを食べたら、2つ目はなしだよ。」と言って部屋を去る。
  • 子どもがマシュマロを食べるかどうか観察する。

 結果、実験に参加した3分の2の子どもがマシュマロを食べました。

 3分の1の子どもは、マシュマロを食べるのを我慢し、2つ目のマシュマロを手にいれました。

 この実験で重要なのはこの先です。

 実験者は、10年後にマシュマロ実験に参加した子どもたちのその後を調査しました。

 すると、10年前に自分の欲求を先延ばしにできた(2個のマシュマロを持てた)子どもは、そうではない子どもをほぼすべての分野(試験の点数など)で上回っていることが分かりました。

 2個目のマシュマロを持てた子の方が優れた自制能力を持っており、この自制心があればこそ多くの分野に秀でることができたと結論づけれました。

 

 この実験からも分かるとおり、人が社会で成功するには、

  • 本能に基づき沸き起こる衝動に対処できる自制心があること

が必須といえます。

 承認欲求、集団本能、自己正当化本能、本能的ないじめなど、本能に基づき、とめどなく沸き起こる様々な衝動に対し、知性で打ち勝てなければなりません。