刑法(偽造公文書等行使罪)

偽造公文書等行使罪(4)~「未遂規定」「既遂時期」を説明

 前回の記事の続きです。

 この記事では、偽造・変造・虚偽公文書行使罪、不実記載公正証書原本行使罪、不実記録電磁的公正証書原本共用罪等(刑法158条)を適宜「本罪」といって説明します。

未遂規定

 本罪の未遂は処罰されます(刑法158条2項)。

 本罪の未遂は、刑法158条1項の文書等…つまり、

  • 刑法154条(詔書偽造・変造罪)、刑法155条(公文書偽造・変造罪)、刑法156条(虚偽公文書作成罪)、刑法157条(公正証書原本不実記載罪等、免状等不実記載罪)における文書、図画(とが)
  • 刑法157条1項(公正証書原本不実記載罪、電磁的公正証書原本不実記録罪)における電磁的記録

につき、

その内容を相手方に認識させ又は認識し得る状態に置こうとして、それを果たさなかった場合

に未遂罪が成立します。

既遂時期

 本罪は、

文書を真正に成立したものとして交付、提示等をし、あるいは備え付ける方法により、相手方にその内容を認識させ又はこれを認識し得る状態に置くこと

によって既遂に達します(「既遂」の説明は前の記事参照)。

 より詳しくは、文書偽造・変造の罪(22)~行使の概念⑨「偽造・変造文書、虚偽文書の行使罪の既遂時期」の記事で説明しています。

次の記事へ

文書偽造・変造の罪の記事一覧

過去の記事