刑法(特別公務員職権濫用罪)

特別公務員職権濫用罪(5)~「本罪の共犯(共同正犯)の考え方」を説明

 前回の記事の続きです。

特別公務員職権濫用罪の共犯(共同正犯)の考え方

 特別公務員職権濫用罪(刑法194条)は、犯人が

裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者

という身分を要する身分犯です。

 なので、上記以外の者が特別公務員職権濫用罪における逮捕・監禁行為に加功したときは、刑法65条1項

「犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする」

という規定の適用により、共犯(共同正犯)とされることとなります。

 そして、刑法65条2項において、

「身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する」

という規定が適用され、逮捕監禁行為に加功した上記以外の者に対しては、特別公務員職権濫用罪の共同正犯が成立するものの、科される刑の重さは逮捕監禁罪(刑法220条)の刑の重さになります。

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