刑法(凶器準備集合・結集罪)

凶器準備集合・結集罪(10) ~ 凶器準備集合罪⑨「『凶器の準備する』とは?」を説明

 前回の記事の続きです。

 凶器準備集合罪は、刑法208条の2第1項で、

2人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する

と規定されます。

 この記事では、条文中にある「凶器を準備する」について説明します。

「凶器を準備する」とは?

 「凶器を準備する」とは、

凶器を必要に応じて、いつでも当該加害目的を実現するために使用できる状態におくこと

をいいます。

 名古屋高金沢支部判決(昭和36年4月18日)は、

  • 刑法第208条の2の規定にいう凶器の「準備」とは、凶器を必要に応じていつでも同条所定の加害行為に使用し得る状態に置くことをいう

と判示しています。

 集合の場所と準備しておく場所が一致していることは必要ではありませんが、加害行為に使用することが不可能ないし著しく困難であるときは準備とはいえません。

 凶器準備集合罪の成立を認めるに当たり、集合と準備の前後関係は問われません。

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