人にネガティブ本能が強く備わっている理由
ネガティブ本能とは、物事のポジティブな面よりもネガティブな面に気づきやすいという本能だ。
引用元:ハンス・ロスリング他2名『FACT FULNESS』日経BP社
上記が「ネガティブ本能」の定義です。
人にネガティブ本能が強く備わっているのは、生存率を上げるためと考えられます。
狩猟採取時代にさかのぼって考えてみれば、ネガティブ本能が弱い人間は死にます。
ネガティブ本能が弱い人間は、
木の実を採りに森の奥にどんどん入っていき、ライオンに食われます。
ネガティブ本能が弱い人間は、
魚を捕りに川にバシャバシャ入り、ワニに食われます。
ネガティブ本能が強い人間が生き残り、それが私たちの祖先といえます。
だから、今生きている私たちには、ネガティブ本能が強く備わっていると考えられます。
現代では、ネガティブ本能はあまり必要ない
狩猟採取時代のように、脳の恐怖回路を働かせ、たえず危険に目を光らせなければ死ぬような弱肉強食の世界では、ネガティブ本能を全開にして生きる必要があるでしょう。
しかし、そのような時代に比べれば、現代は安全が確保された社会です。
たえず生命の危険にされられることはありません。
つまり、現代では、ネガティブ本能に支配される必要がないというのが私の考えです。
【結論】ネガティブ本能はブレイクスルーが基本(繰り返し)
言いたいことは、
現代は安全な社会である→ネガティブ本能が有効に役立つ場面が少ない→にもかかわらず、ネガティブ本能に支配されている→ネガティブ本能の支配から脱却すべき→ネガティブ本能はブレイクスルーを基本とする
ということです。
現代において、ネガティブ本能は、障壁です。
だからこそ、ネガティブ本能という障壁を突破(ブレイクスルー)するのを基本スタンスとすべきと考えます。
【追記】ネガティブ本能は現代風に使うべき
ネガティブ本能の機能の本質は、危険を回避して生命を維持することです。
しかし、現代人は、生きるか死ぬかに関係のない場面でネガティブ本能を発動させています。
これが、現代人がネガティブで苦しむ原因です。
例えば、
仕事で失敗する→ネガティブ本能を発動させる→自分はダメな人間だと自己重要感を下げる→悲観、不安、絶望の気質を形成する→次回からの思考・行動が自分を守ることにフォーカスする→不合理な行動と結果を導く→仕事で失敗する→ネガティブ本能を発動させる…(ループ)
は、ネガティブ本能のズレた使い方の例です。
このようなネガティブ本能の使い方は、無価値で無意味な上、苦しみを生みます。
上の例の場合で、ネガティブ本能を発動させなければ、
仕事で失敗する→ネガティブ本能を発動させる場面でないことを自覚する→失敗について分析する→どうすれば成功できたのかを考える→失敗から経験値を獲得する→再トライする…(ループ)
などの思考・行動が可能になります。
現代でネガティブ本能を使う場面は、交通事故に気を付ける、病気をしないように健康管理をする、災害に備えるなど、生命を守るための原始的危険に対する予防の場面で使う程度しかありません。
では、仕事の失敗などの現代特有の危険はどうやって回避すればいいのか?
仕事の失敗などの現代特有の危険は、ネガティブ本能はなく、過去の経験や調査データなどで裏付けられる「根拠あるネガティブ(知性)」で回避すべきと考えます。
ネガティブも根拠があれば、本能ではなく、知性です。
仕事で死ぬことはないからといって(ブラック、労災は除く)、ネガティブ本能を封じ、ポジティブだけで行動したら、仕事でミスが増えます。
ネガティブに考えるからこそ、回避できる現代特有の危険はたくさんあります。
これについては、
ネガティブ本能で危険信号をキャッチし、根拠あるネガティブ(知性)を創造して、危険回避すべき
と考えます。
私は、このプロセスをネガティブ本能を現代風に使う状態と考えています。
ネガティブ本能は現代風に使うべきです。
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