ネガティブとポジティブを生む脳の仕組み
脳の仕組みから、ポジティブとネガティブを考察すると、
危険を避けたい脳の反応→ネガティブ
快楽を求める脳の反応→ポジティブ
となります。
危険を避けたい脳の反応は、脳の扁桃体(へんとうたい)が引き起こす反応です。
快楽を求める脳の反応は、脳の側坐核(そくざかく)が引き起こす反応です。
脳の扁桃体(ネガティブ脳)の方が強く働く人は、ネガティブ思考の人になります。
逆に、脳の側坐核(ポジティブ脳)の方が強く働く人は、ポジティブ思考の人になります。
扁桃体(ネガティブ脳)の役割
扁桃体は、
脳の緊急システム
です。
恐怖や不安を感じると扁桃体が仕事をします。
脳の緊急システムである扁桃体が脳内にアドレナリンを放ち、呼吸や心拍の増大、発汗を起こします。
これにより、速攻で、体を闘争又は逃走できる状態にし、迅速に危険に対処できるようにします。
しかも、扁桃体は、重要でな活動をストップさせ、注意力を危険一点に集め、危険に対処しようと体を反応させます。
現代では、扁桃体(ネガティブ脳)は仕事しすぎて弊害
扁桃体は、脳の原始的な組織です。
脳の原始的な組織である扁桃体は、人間が、猛獣に捕食される脅威があった時代に発達したものです。
扁桃体は、現代でも現役バリバリであるため、危険に出会うと大昔と同様に暴発してしまいます。
仕事でいうと、会議中に、突然、上司から意見を求められただけで扁桃体が暴発してしまうことがあります。
私の場合は、
ドキッとして、内臓が締め付けられる感覚になり、脇汗が大量に出て、頭でフリーズし、言葉が出てこなくなる
という状況になります。
これは、扁桃体の反応そのものです。
そして、このような扁桃体の反応は、
人に苦手意識を植え付け、ネガティブを引き起こすトリガー
になります。
私生活で扁桃体の反応が起こることが多々あると思います。
現代は、突然、猛獣に出くわすことはなく、生命の安全が確保された時代なので、本来、扁桃体の出番はほとんどないはずなのです。
しかし、私生活の場面で、扁桃体が暴発してしまい、弊害となっています。
扁桃体(ネガティブ脳)の暴発対策
扁桃体の反応は本能であるため、暴発を封じることは困難です。
しかし、扁桃体が暴発してしまった場合、自分の体の状態から、
扁桃体が暴発していることを自覚することが対策になる
と考えます。
扁桃体の反応を自覚することで、自分を客観視できるため、ある程度冷静になり、扁桃体の反応を和らげることができます。
今は猛獣に出くわしたような危険な状態ではないと扁桃体に認識させることで、コントロールを試みることができます。
側坐核(ポジティブ脳)の役割
側坐核は、
人に快楽を求めさせる脳のシステム
です。
側坐核は、生物学的に好ましいことに人を誘い込む働きをし、人に食べ物を食べたり、子ども作るなどの行動をとるように仕向け、生存の可能性を高める役割をしてきた原始的な組織です。
側坐核(ポジティブ脳)の活用【快楽を求めることを意識する】
人がポジティブになれるときは、偏桃体(ネガティブ脳)より、側坐核(ポジティブ脳)の働きが強いときです。
社会では、ネガティブオーラの人は評価されません。
ポジティブオーラの人が評価され、成功チャンスをつかむことができるため、ポジティブになる努力をする必要があります。
私は、偏桃体(ネガティブ脳)と側坐核(ポジティブ脳)の仕組みから、ポジティブになるに、
快楽を求めることにフォーカスする
ことを意識的に行っています。
ネガティブよりポジティブを上位にもってくるために、有意識で快楽を求める意識を持つことは、脳の仕組み上、有効な手段になります。
【追記1】人の行動動機は、快楽の追求か危険の回避の二択である
人の行動動機は、側坐核(ポジティブ脳)の働きである快楽の追求と、扁桃体(ネガティブ脳)の働きである危険の回避の二択からスタートすると考えられます。
その観点から人の行動を考察すると、つじつまが合ったり、合点がいく結論が導き出されるからです。
例えば、男性が、やたらとかわいい女性に親切にするのは、単に親切だからではなく、深層意識では、性的な欲求(快楽の追求)があるからです。
酒が飲めない若手社員が、笑顔で上司の飲み会に付き合うのは、深層意識では、飲み会を断ることで、上司から「付き合いの悪いやつだな」と思われる危険を回避するためです。
この考え方は、どんな人、どんな場面でもハマります。
毎回、このような思考をする必要はないですが、人との関わり方で問題や違和感を感じたときは、その人の発言や行動の動機が、
快楽の追求と危険の回避のどちらからスタートしているのか
次に、
快楽の追求又は危険の回避の内容は何なのか
を推察することをおすすめします。
そうすることで、自分自身が、妥当な考え方や選択・行動をとれる可能性が高まります。
【追記2】恐怖回路と快楽回路の視点
扁桃体(ネガティブ脳)の働きで、恐怖・不安を創造し、危険を回避しようとする脳回路を
恐怖回路
といいます。
側坐核(ポジティブ脳)の働きで、快楽を求めようとする脳回路を
快楽回路
といいます。
人は、恐怖回路と快楽回路のどちらかの脳回路の働きに基づいて行動します。
私生活で人とうまく付き合うために、その人が、
恐怖回路に基づいて行動しているのか
快楽回路に基づいて行動しているのか
を考察することをおすすめします。
そうすることで、その人の行動の動機の本質に気づくことができるようになります。
おすすめしたい書籍
脳科学は人格を変えられるか? (文春文庫) [ エレーヌ・フォックス ]https://search.rakuten.co.jp/search/mall/脳科学は人格を変えられるか/