前回の記事の続きです。
教唆犯、幇助犯
凶器準備集合罪、凶器準備結集罪(刑法208条の2)についても、一般の犯罪と同様、教唆犯、幇助犯の適用があります。
① 凶器準備集合罪の教唆犯、幇助犯について
凶器準備集合罪の教唆犯、幇助犯の事例として、以下の裁判例があります。
東京地裁判決(昭和45年10月26日)
教唆犯について、特定の一人を唆し、集合に参加させた行為について、凶器準備集合罪の教唆犯の成立を認めました。
幇助犯について、過激派集団の先頭部分に向かって「何をぐずぐずしている。竹槍を持て。早く、早く。」などと申し向けて束ねた竹槍を各人が持つように指揮したのを凶器準備集合罪の幇助犯と認めました。
② 凶器準備結集罪の教唆犯、幇助犯について
凶器準備結集罪の幇助犯の事例として、以下の裁判例があります。
東京地裁判決(昭和45年6月17日)
結集者の依頼により凶器を運搬して集合者に手渡した行為について、凶器準備結集罪の幇助犯と認めました。
凶器準備結集罪の教唆犯は、凶器準備結集罪自体が、集合罪の教唆的なものであることから、理論上成立の余地がないとはいえないものの、実際のケースとしては想定し難く、実例も見当たりません。