人間の脳は絶えず未来を予測している
人間の脳は、未来を予測する能力を備えています。
しかも、自動で未来を予測します。
たとえば、坂を転がるボールを見れば、そのボールの軌道を自動で思考し、そのボールの転がり切る先の未来を予測します。
人間の脳は、意識に関係なく、絶えず未来を予測するようにできています。
人間の脳は、‶先読みする装置″ともいわれ、未来を創造する思考を休むことなく続けています。
人間の脳の未来の予測方法
脳は、すでに知っていること(過去)と、今見ていること(現在)を足して、つぎに起こるだろうこと(未来)を予測します。
人間の脳の未来の予測方法は、
過去+現在=未来
です。
先ほどのたとえに当てはめると、ボールは坂を転がることを知っている(過去)、坂を転がるボールを見る(現在)、ボールが転がり切った状況を予測する(未来)となります。
人間の脳の未来を予測する能力は貧弱
人間の脳は、過去の経験と現在の状況を足して未来を予測します。
見方をかえると、人間の脳は、過去の経験と現在の状況を足して割り出した答えの範囲内でしか未来を予測する能力がありません。
過去の経験と現在の状況を無視した未来の話をすれば、「何を根拠にそんなこと言ってんだ」と周囲の人たちから妄想者あつかいされます。
人間の脳の未来予測能力は
過去+現在=未来
の思考を行うだけの貧弱なものなのです。
実際に起こる未来は、過去と現在を足して出した答えにはならない
坂を転がるボールの軌道を予測する程度であれば、過去+現在=未来の思考で未来は当たります。
しかし、仕事、人間関係など、複雑な社会生活において、脳がもつ「過去+現在=未来」の思考で未来を予測して当てることは困難です。
世の中において、自分が見えている世界は極小で、自分が見えてないない世界がほぼ全てです。
一人の人間が、人や経済の動き・自然の変化など、世の中のあらゆる現象を把握するのは不可能です。
自分が把握できる極小世界における自分の経験と現在の状況を足すことで割り出した未来予測など当てになるはずがありません。
ここで大切なのは、
- 人間の脳の未来予測は当てにならないこと
- 人間の脳では、正確に未来を予測することはできないこと
をきちんと言語化して、いつでも思い出せるようにしておくことです。
このことを理解せずに、未来について、「あーでもない、こーでもない」と議論するのは、いたずらに精神と労力と時間を消耗するだけなので注意が必要です。
まとめ
人の未来予測が当たらない理由は、人間の脳の未来を予測する能力が、過去+現在=未来を式とする貧弱なものだからです。
人間の脳の未来を予測する能力の限界をしっておくことが大切です。
すると、「先のことを考えることに時間を使いすぎてもしょうがねーな」ということに気づけます。
未来について「あーでもない、こーでもない」と思い悩み、精神を消耗した上で、行動できないより、できるだけ早く、できるだけたくさんの行動を積み重ねて、失敗しても補正力と修正力でカバーしながら未来を変えていった方が良いです。
関連記事
【脳の未来予測②】「先読み」と「恐れ読み」は区別しなければならない