道路交通法違反

道交法違反(速度違反)(8)~「Nシステム(自動車ナンバー自動読取りシステム)の合憲性」を説明

 前回の記事の続きです。

Nシステム(自動車ナンバー自動読取りシステム)の合憲性

 Nシステム(自動車ナンバー自動読取りシステム)とは、走行中の自動車のナンバープレートを自動的に読み取ることで、手配車両のナンバーと照合するシステムです。

 手配車両の追跡に用いられ、犯罪捜査の重大な手がかりとなります。

 Nシステムの合憲性について判示した以下の裁判例があります。

東京高裁判決(平成17年1月19日)

 自動車ナンバー自動読取りシステム(Nシステム)の合憲性が争点となり、Nシステムによって、国民の私生活上の自由が違法に侵害されているとはいえないとした判決です。

 裁判所は、

  • 自動車ナンバー自動読取りシステム(Nシステム)によって、取得、保有、利用される情報は、直接には特定のナンバープレートの車両がNシステム端末の設置された公道上の特定の地点を一定方向に向けて通過したとの情報に止まるものである
  • そして、そもそも自動車の所有者は、道路運送車両法によって車両ナンバープレート(自動車登録番号標)を取り付けることが義務付けられ、これを見やすいように表示しなければ、運行の用に供してはならないとされ、更にその具体的な取付け位置について、同法施行規則により自動車の前面及び後面の見やすい位置に確実に行うものとすることとされており、公道を自動車が走行する際には、常にナンバープレートが外部から容易に認識し得る状態となっているのであるから、Nシステムによって取得された情報は、警察を含む公権力に対して秘匿されるべき情報であるとはいえず、警察を含む公権力がこの情報を取得しても憲法22条が保障する個人の私生活上の 自由を直ちに侵害するものとはいえないと解される

と判示しました。

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