完璧主義は3種類に分類される
完璧主義は、3種類に分類されます。
1 自己本位な完璧主義
自己本位な完璧主義は、「自分は〇〇でなければならない」、「〇〇でなければ自分じゃない」という思考に基づく完璧主義です。
自分は完璧でなければならないという強迫観念に近い強いセルフイメージがあります。
自分自身に完璧を求める完璧主義です。
2 社会規定の完璧主義
社会規定の完璧主義は、「他人や社会が要求する規定に合わせなければならい」という思考に基づく完璧主義です。
学校の校則や、社会のルールを守らなければならないとった観念は、社会規定の完璧主義の精神がもたらします。
3 他者指向な完璧主義
他者指向な完璧主義は、他人に完璧を求める完璧主義です。
「なんで〇〇してないんだ!?」などと、それをやるのが当然のように相手に圧力をかけるのは、他者指向な完璧主義の精神がもたらすものです。
3つの完璧主義の特徴
1 自己本位な完璧主義の特徴
- テストで良い点数をとらなければならない
- 会社で優秀な人物として評価されなければならない
- 自分は誰からも好かれなければならない
- 誰とでも仲良くできなければならない
といった観念は、自分本位な完璧主義がもたらすものです。
理想と自責の念をもって突き進みます。
自分本位な完璧主義は、自分自身に、向上心と努力するモチベーションを与えてくれます。
自分本位な完璧主義の精神が強いほど、自分を律し、努力を積み重ねるので、社会的に成功する確率が上がります。
その反面、自分本位な完璧主義は、気づかないうちに、自分自身を追い込み、精神を病む危険をひそませています。
自分本位な完璧主義の思考が行き過ぎると、「自分は〇〇でなければならない!」「〇〇ができない自分は認められない!」といった脅迫観念に変わり、不安やこだわりによって、適切な判断や行動ができなくなり、ストレスで能力が発揮されなくなります。
強迫観念が進行していくと、強迫性障害のような病気を発症します。
自分本位な完璧主義の思考は、勉強や仕事の質を高めたり、やる気を高める手段になる程度に、適度に使えるのがベストです。
自分本位な完璧主義が行き過ぎた状態は病気なので、気を付ける必要があります。
2 社会規定の完璧主義の特徴
- 社会、会社、学校が決めた規則は守らなければならない
- 高校や大学に進学しなければならない
- 就職活動をしなければならない
- 結婚をして家庭を持たなければならない
といった観念は、社会規定の完璧主義がもらたすものです。
社会規定の完璧主義の根源には、集団本能や同調圧力があります。
「みんなやっているから 自分もやる」
「みんなやっているから あなたもやれ」
「みんながやっていることなんだから、それは正しいことだ」
といった周囲からの圧力によって、他人や社会が要求する規定に合わせようとするのが、社会規定の完璧主義です。
社会規定の完璧主義をこなせる人は、常識人間といえます。
ここで大切になるのは、時に、集団本能や同調圧力に屈せず、常識人間を疑えることです。
社会規定の完璧主義をこなす人は、集団の中で、当たり障りのない立ち回りができます。
しかし、社会規定の完璧主義をこなす人は、他人や社会が要求する規定が、ただの前例踏襲や、今の時代の価値観にあっていないなど、中身のないものであった場合でも、思考停止で、盲目的に従ってしまいます。
他人や社会が要求する規定の有効性・有益性を吟味し、時に、社会規定の完璧主義を捨てられることが大切です。
3 他者指向な完璧主義の特徴
他人に対し、自分が理想とする結果や行動を求めるのが、他者指向な完璧主義の思考です。
- お母さんが、子どもに対し、テストで良い点数をとるように求める
- 会社の上司が、部下に対し、一定の水準の結果を出すよう求める
- 夫が、妻に対し、家事をするように求める
といった観念は、他者指向な完璧主義がもたらすものです。
上下関係があったり、業務分担がしっかりしていれば、他者指向な完璧主義は、組織やグループに有益に作用します。
しかし、他者指向な完璧主義が行き過ぎると、他責思考が顔を出すようになり、他人を責めるようになるなど、他人に不快な思いをさせ、人間関係を壊します。
他者指向な完璧主義を押し付けられた他人は、ストレスで気分が悪くなり、やる気が奪われ、成果が上がらなくなります。
他者指向な完璧主義は、慎重な扱いを要する観念です。