人間関係には、「強いつながり」と「弱いつながり」があります。
「強いつながり」は、家族、現在進行形で交流のある知人・友達、現在の職場のメンバーなどです。
「弱いつながり」は、数年合っていない知人・友人、かつての職場のメンバーなどです。
「強いつながり」が良く、「弱いつながり」が悪いということはありません。
「強いつながり」と「弱いつながり」は、区別して考えられることが大切です。
「強いつながり」の特徴
「強いつながり」は、人間関係の距離が近く、利害関係の力の影響を強く受けます。
頼みごとがしやすく、助けを求めやすいなど、協力関係を作りやすいです。
「弱いつながり」の特徴
「弱いつながり」は、人間関係が希薄になっているため、心理的抵抗感により、
- 助けを求めるのが難しい
- 気楽に連絡できない
といった難点があります。
しかし、「弱いつながり」の関係は、自分を新しい情報により効率的にアクセスさせてくれます。
「弱いつながり」は、相手から新鮮で多岐に渡る情報を多く得ることができるという利点をもっているのです。
「強いつながり」は、同じ環境の中で交流するため、同じ機会を共有することが多くなります。
そのため、現在進行形のつながりは、すでに知っているものの考え方を共有する傾向が強くなってしまいます。
「強いつながり」から得られる情報は、似通った情報になってしまうのです。
それに対し、「弱いつながり」は、交流がなかった間に、それぞれが新しいアイデアやものの見方にさらされていることで、より多くの新しい情報をもたらしてくれます。
「強いつながり」は絆を生み出しますが、「弱いつながり」は橋渡しとして役に立ちます。
「強いつながり」と「弱いつながり」は使い分けが大切
- 「強いつながり」の関係は、強力関係を作りやすい
- 「弱いつながり」の関係は、新しい情報をもたらされやすい
というそれぞれのメリットがあります。
何も考えなければ、「強いつながり」の方ばかりを重視し、「弱いつながり」はないがしろにしてしまいます。
「弱いつながり」を軽視してはいけません。
「弱いつながり」を作り、数年後、または何十年後に「弱いつながり」とつながれるようにしておくことが大切です。
「弱いつながり」と再びつながることを『リコレクト』といいます。
「弱いつながり」と再びつながることは、お互いが過去の記憶を共有し、お互いの中に信頼感が残っていることから、一から作る関係ではないことに利点があります。
『リコレクト』ができることで、新しい情報、自分の知らない情報にアクセスでき、自分の視点を広げることができる可能性が高まります。
「強いつながり」と「弱いつながり」を区別する
ほとんどの人間関係は、一過性のものです。
(子ども頃から年寄りになるまで、「強いつながり」の関係が続くのは家族くらいです)
「強いつながり」の関係でも、数年交流がない状態が続くだけで「弱いつながり」に変わります。
関係性が「強いつながり」から「弱いつながり」に変わった段階で、今後の関係性・付き合い方を見直す必要があります。
「弱いつながり」に変わったのに、いつまでも連絡を取り合ったり、相手の顔色をうかがう必要はないのです。
「弱いつながり」に変わったのに、いつまでも「強いつながり」と同じようなことをやろうとすると、精神を無駄に消耗したり、エネルギーロスを起こすので、修正しなければなりません。
「弱いつながり」に変わっているのだから、相手とは疎遠になって当然という認識に変わってよいのです。
リコレクトし、再び「強いつながり」になったときに、疎遠から親密の関係性に戻せばよいのです。
「強いつながり」なのか、「弱いつながり」なのかを区別して相手との関係性を認識し、それぞれの関係性に見合った身のこなしをすべきなのです。