実行機能とは?
実行機能とは、
- 自分の思いどおりにならない状況・情報に対処する能力
のことです。
具体的には、
- 混乱したり、予測がつきづらい状況・情報に対し、自分の感情や思考を調整して制御する能力
をいいます。
実行機能が働く状況
実行機能が起動するのは、
- ストレス
- 状況のコントロール不能感
などの心理的負荷を感じたときです。
たとえば、怒りを感じたときに、まっとうな大人であれば、怒りを理性でセーブし、いきなりキレたりしません。
怒りなどの本能的に沸き起こる感情を理性でセーブする動きが、実行機能の動きです。
とっさの本能的な反応を抑える役割を果たしているのが、実行機能なのです。
実行機能をつかさどる脳の部位
実行機能を動かすのは、脳の前頭前野という部位です。
前頭前野は、本能にあらがい、人間的思考を行う脳の部位です。
前頭前野があるおかげで、私たちは、本能を抑え込み、理性的に生きることができるのです。
前頭前野がなければ、人間は知能が低いサルになります。
実行機能が高い人が社会で成功する
実行機能が高い子どもは、将来、良い職につき、高い収入を得やすいことが分かっています。
実行機能の高低に注目して人を観察してみると、その人の将来をある程度見通すことができるほどです。
たとえば、会社で「この人は出世しないな」と直感する人がいると思いますが、きっとその人は実行機能が低い人に分類されることでしょう。
子どもにとって、実行機能は、学校生活を乗り切るための重要な能力になります。
大人にとっては、実行機能は、より良い職につき、社会でうまく立ち回るための能力になります。
実行機能が高い人は、社会で成功しやすくなります。
もし、実行機能が低い場合は、環境を改善して実行機能を高めることができれば、将来が劇的に改善される可能性があります。
関連記事
非認知能力(非認知的スキル)とは? ~非認知能力は環境で決まる~