学習

連想活性化とは? ~人の思考は連想で行われる~

人の思考は連想的に行われる ~連想活性化~

 人の思考は、連想的に行われます。

 具体的には、最初に思い浮かんだことがまた別のことを呼び起こし、頭の中に次から次へと思考が展開されます。

 この思考プロセスを連想活性化といいます。

 フラッシュバックがよい例です。

 たとえば、大勢の前で失言をし、大恥をかいて心の傷を負った人は、テレビドラマで大衆の面前で笑われている人のシーンを見た時に、思考の連想活性化により、大勢の前で失言をして大恥をかいた時の記憶が呼び起こされ、気分が悪くなったりします。

連想は感情的・肉体的な反応を起こす

 すりつぶしたバナナ

 ゲロ

 二つの言葉を見た結果として、すりつぶしたバナナとゲロの脳内イメージが連想的思考となり、少しだけ気分の悪さを感じたのではないでしょうか。

 このように、連想は、思考だけでなく、感情的・肉体的な反応を発生させます。

 脳は、単なる二つの言葉の組み合わせを、現実を表すものとして扱ったということです。

 実際の嘔吐に対応する反応をいくらか弱めたかたちで体験することになり、二つの単語を連想したただけ、気分の悪さを感じるといった現象が起こります。

 人は、脳だけを使って考えているのではく、身体も使って考えているという認識でいた方が正確です。

連想は強化される

 連想活性化による思考は、一度、ある特定の思考を連想的に行うと、次からもその思考を連想により繰り返しやすくなります。

 これは、連想活性化により、昔のある記憶が、新しい他の記憶と関連づけられ、記憶が強化されるためです。

 例えば、会社の上司が、特定の場面で同じ小言を繰り返し言うのは、連想記憶が強化されているためです。

連想が勘違いを生む

 連想は、無意識かつ一瞬のうちに行われます。

 そのため、人は、連想的に思考したときに、勘違いを犯しやすくなります。

 予定を聞かれたときに、明後日の予定を思わず明日と言ってしまうことがあります。

 これは、予定を考えるときに、明日の予定を考えることが圧倒的に多いため、「先の予定=明日の予定」という連想的思考を無意識に行ってしまうためです。

 まずは、連想的思考は勘違いを生む原因となっていることを自覚できることが大切です。

 連想的思考による勘違いの発生の有無を、意識してチェックできるようになると勘違いを防ぎやすくなります。

アイデアを生むのも連想

 人の思考は、連想で行われます。

 ということは、仕事やビジネスのアイデアを生むのも連想によります。

 新しいアイデアを生み出すには、連想を意識して思考することが有効ということです。

 また、連想するには、連想の元になる材料をたくさん頭にインプットしておくことが必要になります。

 よって、新しいことにチャレンジして未経験の出来事の記憶を仕入れたり、本を読んだり、ビジネス系ユーチューバーの動画を見るなどして、自分の知らない情報を獲得しにいくことが有意義となります。