人からの否定や批判、人間関係、仕事のプレッシャーや緊張・不安などで心が傷ついたり、ストレスを感じると、気分や体調が悪くなります。
心が傷ついたり、ストレスを感じると、なぜ気分や体調が悪くなるのでしょうか?
それには神経学的な理由があるので、これから説明します。
心が傷ついたり、ストレスを感じることで、気分や体調が悪くなる理由を知っておくことで、そのような状態になった時に起こる気分の悪さや体調の悪さを客観視でき、冷静に対処できるようになります。
心が傷つくと気分や体調が悪くなる理由→自立神経の乱れ
「心が傷つく、ストレスを感じる→気分や体調が悪くなる」はいわば生理現象です。
「胃が空になる→腹が減る」、「便が詰まる→トイレに行きたくなる」と一緒です。
心が傷ついたり、ストレスを感じることで、不調になる身体の部位は決まっています。
それは、腸、胃、肺などの内臓と血管です。
心が傷ついたり、ストレスを感じても、腕や脚、筋肉や骨が痛くなることはありません。
なぜ、心が傷ついたり、ストレスを感じると内臓と血管に不調を来すかというと、自律神経(消化器、循環器、呼吸器などの活動を調整するために24時間働き続けている神経)が乱れるためです。
「心が傷つく、ストレスを感じる→神経が狂う→現実に体調が悪くなる」という構造です。
自立神経は、内臓、血管などの働きをコントロールし、体内の環境を整える神経全体を指し、知覚や運動神経と違って、私たちの意思とは関係なく自立して動いているため、自分の意思で自由に動かすことができません。
したがって、心が傷ついたり、ストレスを感じることで生じる自律神経の乱れも、私たちの意思でコントロールすることができません。
心が傷ついたり、ストレスを感じることで生じる自立神経の乱れによる内臓と血管の不調は、意志力や根性で不調が起こらないようにすることができない点が厄介です。
たからこそ、せめて、心が傷ついたり、ストレスを感じることで生じる自立神経の乱れによる内臓と血管の不調はコントロールできないことを知っておくことが大切になります。
余談ですが、いじめ、パワハラ、あおり行為で他人の精神を傷つける人は、物理的に傷害を加える行為をしていなくても、現実に他人の神経を害して体調不良を引き起こしているのだから、事実上、傷害が成立していると私は思っています。
自立神経の乱れにより起こる身体の不調
ストレス、不安、プレシャーなどで、自立神経の動きが乱れると、身体に様々な不調が生じます。
例えば、
- 腸の運動に異常が起こり、腸が締め付けられるような不快感を感じる→気持ち悪さ、吐き気、だるさを引き起こす
- 胃が痛む、もたれる
- 血管が収縮し、手が冷たくなる・しびれる、貧血になる
- 体温調節ができなくなる→発汗する、口が渇く
- 呼吸が浅くなり過呼吸になる→めまい、手のしびれを引き起こす
- 内耳のリンパ液に異常が生じ、めまい、吐き気を引き起こす
などなど。
私の場合は、心が傷つくと、自律神経の乱れが真っ先に腸に悪影響を与え、速攻で腸が気持ち悪くなります。
ちなみに、腸は、「第二の脳」と呼ばれるくらい神経細胞が密集(約1億個)しており、「腸菅神経系」といわれる独自の神経ネットワークを形成していて、自律性があり、脳の指示がなくても動きます。
神経細胞が密集している腸は、自律神経の乱れの影響を受けやすいのです。
まとめ
心が傷ついたり、ストレスを感じると、生理現象として自立神経が乱れ、体調不良を引き起こします。
心が傷ついたり、ストレスを感じることにより生じる体調不良は、気合や根性ではどうにもなりませんが、体調不良になる理由や仕組みを知っておくことが大切です。
心が傷ついたり、ストレスで体調不良になったら、「今、自律神経が乱れているな。まず神経を落ち着かせよう。」と冷静に考えて客観的に状況を把握し、椅子に座ったり、深呼吸して身体を休めるなどの行動がとれるだけでも、神経の乱れを落ち着かせて体調不良からの復帰を早め、状況を好転させる方向にもっていくことができます。