誰だってほめられるとうれしいものです。
少なくとも悪い気分はしません。
これは、人に承認欲求という本能が備わっているためです。
人は「他人から認められたい」という承認欲求に突き動かされて生きています。
しかし、ここで気をつけなければならないことは、ほめられる側は、ほめる側の意図とほめる行為の効果を知った上で、相手のほめ言葉に乗っておく必要があるということです。
ほめる行為には相手を操作する意図がひそんでいる
ほめる行為には、相手のマウントをとって、これからも相手を操作したいという意図がひそんでいます。
親が子供をほめるときの例が分かりやすいです。
例えば、親が、宿題をした子供をほめる行為には、子供の脳に『宿題をやることは良いことであり、他人から認められる快感を得られるものだ』と自動で思考させる回路を構築させることで、今後も自発的に宿題に取り組むマインドを形成させようという意図が隠されています。
ここまではっきりと言葉で定義していないにしても、ほめる行為には、子供を自分の思惑どおりにコントロールする効果があることを直感した上で、子供をほめています。
ほめる行為は上下関係を明確にする効果がある
ほめる行為は、目上の人が目下の人に向かって行う行為です。
目下の人が目上の人をほめたら失礼になります。
目上の人からすれば「お前舐めてんのか」という感じです。
つまり、ほめる行為には、上下関係を明確にする効果があります。
相手をほめることで、「私が上でお前が下だ」という認識を暗に植え付けることができます。
ほめられることで、相手は気持ち良くなって満足するので、自分が上下関係の下の扱いをされていることに気づきません。
まとめ
ほめ言葉は非常に危険です。
ほめる行為は、相手の承認欲求を操り、相手の心を誘惑します。
上下関係を気づかれないうちに印象づけ、相手を操ろうとする意図がひそんでいます。
ほめられる側は、ほめる行為の性質や効果を理解した上で、相手のほめに乗っておくことが大切です。
なお、「この人マジですげー」というふうに、純粋な感嘆と賞賛の念のでほめ言葉を送ってくれる場合もあるので、そのようなほめ言葉は誠実にキャッチしなければなりません。
マウントをとって相手を操作しようとする意図のほめ言葉なのか、純粋な感嘆と賞賛に基づくほめ言葉なのかを見誤らないようにする必要があります。
追記
ほめるより ‶ありがとう″
ほめ言葉には、意図せずとも、マウントをとって相手を操作しようとする意図が含まれてしまいます。
なので、ほめたくなったら、ほめ言葉より感謝の言葉を伝えましょう。
ほめるより ‶ありがとう″です。