前回の記事の続きです。
路面電車・トロリーバスの最高速度(道交法22条2項)の説明
道交法22条2項は、
について定めたものです。
路面電車等の最高速度は、道交法22条1項と同様、「指定最高速度」と「法定最高速度」の二種類に分けられます。
①「…こえない範囲内で道路標識等によりその最高速度が指定されている」とは?
道交法22条2項の「…こえない範囲内で道路標識等によりその最高速度が指定されている」とは、
軌道法14条の規定に基づき制定された軌道運転規則及び無軌条電車運転規則に定める最高速度(以下②で説明)を超えない範囲内で、道路標識等により路面電車等の最高速度を指定することができる
という意味です。
②「当該命令で定める最高速度」とは?
道交法22条2項の「当該命令で定める最高速度」は以下のとおりです。
1⃣ 路面電車の最高速度
路面電車の最高速度は、軌道運転規則53~58条に定めがあります。
「車両の運転速度は動力制動機を備えたものにあっては、最高速度は毎時40キロメートル以下、平均速度は毎時30キロメートル以下とし、その他のものにあっては、最高速度は毎時25キロメートル以下、平均速度は毎時16キロメートル以下とする」
「車両の最前部の運転室以外の運転室で操縦する場合の運転速度は、毎時15キロメートル以下とする」
「退行運転する場合の運転速度は、毎時15キロメートル以下とする」
「人換運転をする場合の運転速度は、毎時15キロメートル以下とする」
「さ錠されていない転てつ器を対向して通過する場合の運転速度は、毎時15キロメートル以下とする」
「車両が他の車両に追従する場合であって、先行車両との距離が100メートル以下となったときの運転速度は、毎時15キロメートル以下とする」
2⃣ トロリーバスの最高速度
トロリーバスの最高速度は、無軌条電車運転規則46、48条に定めがあります。
「車両の速度は、毎時60キロメートルをこえてはならない」
「退行する車両の速度は、毎時10キロメートルをこえてはならない」
③「…こえる速度で進行してはならない」とは?
道交法22条2項の「…こえる速度で進行してはならない」とは、
指定又は法定の最高速度を超える速度で進行してはならない
という意味です。
路面電車・トロリーバスが指定の最高速度(上記①)又は法定の最高速度(上記②)のいずれの最高速度によるかは、指定されている最高速度が法定の最高速度と同じか又は低いときは、指定最高速度によることになり、指定されている最高速度が法定の最局速度より高いときは、法定最高速度によることになります。