1万円をもらう喜びと1万円を失う痛みはどちらが大きいと思いますか。
合理的に考えれば、喜びと痛みの大きさは同等ですが、人間の心理上は同等になりません。
自分事として想像してもらうと分かると思いますが、人は1万円を失う痛みの方がはるかに大きく感じます。
この人間の心理作用を「損失回避バイアス」といいます。
バイアスとは、人が世界を見るときに無意識に発生する思考の癖です(人間はバイアスに支配されて生きています)。
損失回避バイアスは、日常で頻繁に発生するバイアスです。
このバイアスの発生を意識できる人は上級者です。
損失回避バイアスに支配されている人の例
- 会社の飲み会で役職が高いのに金の払いが悪い
- 贈り物をもらってもお返しをしない
- 雑誌やマンガは立ち読みで何とかする
- 服やスマホなど、古いものをいつもまでも使い続けて更新しない
- 毎日利用するネットサービスだとしても無課金を貫く
損失回避バイアスに支配されすぎている人は、周囲の人からケチとかセコイという評価を受けてしまいます。
他人に与えることをしないので、自分も他人から与えられることはなく、価値の循環が起こらない人生となります。
損失回避バイアスは意識して対処できなければなりません。
自分が損失回避バイアスにハマっていないかをいったん立ち止まって考えてみてから行動を選ぶ必要があります。