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人間関係のマトリックス① ~「ポジティブ自立」「ポジティブ依存」「ネガティブ自立」「ネガティブ依存」~
人間関係のマトリックス② ~人間関係は行き過ぎると地獄に落ちる~
ほとんどの人が「人間関係のマトリックス」から自由になれない
- いつもピリピリしている妻(夫)と、相手の顔色をうかがいオドオドしている夫(妻)
- 高圧的な上司と、ビクビクしている部下
- 上から目線のお客さんと、ペコペコする店員
よくある人間関係です。
高圧的な妻夫、上司、お客さんを目の前にすると、緊張して、いつもならやらない判断や行動をして、ドジをかましてしまうことがあります。
あるいは、やたらとテンションの高い人と対峙すると、引いてしまったり、ウザさを感じてしまうことがあります。
また、落ち込んでいる人を目の前にすると、励ましたくなったりします。
人間の感情というのは、生まれたときから、このような動きをするように運命づけられているのです。
なので、人は、相手のいるポジションの対極線上の場所にいってしまいがちになるのです。
自分がどこにいても、相手に影響されて、反対側に飛ばされてしまう現象が起こってしまうのです。
それを図示したのが、「人間関係のマトリックス」です。
ほとんどの人は、人間関係のマトリックスどおりの動きを強制され、そこから自由になれません。
だから人間関係で苦しめられたり、あるいは、弱者から搾取しておいしい思いができるのです。
【余談】体験談
人間関係のマトリックスのポジションどりは、固定化されたものではありません。
相手との関係で、マトリックス内をぐるぐる回ります。
昨年、私の会社で、ネガティブ自立のブラック上司に苦しめられ、ポジティブ依存のポジションにいた先輩がいました。
次の年、ブラック上司が他部署に異動になると、その先輩は、ポジティブ依存のポジションから解放されました。
そして、間もなく、その先輩は、後輩を不安や恐怖などの負のエネルギーでコントロールすることを始めました。
つまり、ブラック上司と同じ、ネガティブ自立のポジションをとり始めたのです。
天敵がいなったことをいいことに、今度は、自分がその天敵のポジションに居座る現象が起きたのです。
私は、それを見た時、人間の性分について、感慨深いものを感じました。
人間関係で苦しむのは、性格ではなく、ポジションどりのせい
人間関係で苦しむのは、自分の持って生まれた性格のせいだと考える人が多いと思います。
しかし、それは間違いです。
人間関係で苦しむ大きな原因になっているのは、ポジションどりです。
高圧的な上司などの「ネガティブ自立」の人を相手にして、肉食動物を目の前にした草食動物のように簡単に白旗をあげてしまう「ポジティブ依存」のポジションをとってしまうのが悪いのです。
私は、「簡単にポジティブ依存のポジションをとるな!」「少しはあらがえ!」と言いたいです。
いったん人間関係のマトリックス内のポジションが固定化してしまうと、場合によっては、何十年もそれで人間関係が固定されてしまいます。
社会人になっても、学生の頃の先輩・後輩の人間関係が続くのが良い例です。
人間関係のマトリックスから自由になるには
人間関係のマトリックスから自由になるには、人間関係を持たないことです。
上司と部下の関係、夫婦関係など、どうしても人間関係を持たなければならない場面については、表面上は適当にやり過ごしつつ、相手にしないことです。
ここで相手の感情の影響を受け、自分の感情が動いてしまったら、あなたの負けです。
心理的には、とにかく距離をとり、人間関係を遠ざけるメンタルコントロールを行う必要があります。
具体的には、人と対峙するとき、人間関係のマトリックスを頭に思い浮かべ、相手がどこのポジションをとっているのかを把握します。
かつ、自分はどこのポジションをとることになるのかを理解します。
たとえば、相手が、ブラック上司のような「ネガティブ自立」であれば、自分は「ポジティブ依存」に飛ばされてしまうわけです。
まず、そのような事象が起こることを理解した上で、「私は、どこのポジションもとらない。人間関係は持たない。」と決断するのです。
あとは、その決断を堅持し、ブラック上司の言うことにはテンプレ通りの表面的な対応はするが、感情的には相手にしないというメンタルコントロールをします。
ただし、表面上は、相手を立てることは必要です。
相手を立てることができないと、感情的な衝突が起きてしまうからです。
相手を尊重する自分を演出しておけば、相手と感情的に対立してしまい、そのことで自分の感情がブレ、人間関係のマトリックス内に落ちる危険を減らせます。
人間関係のマトリックスから自由になるには、
- 人間関係を持たない
- 心理的には相手と離れる
- でも表面的にはテンプレ通りの対応をする
というメンタルコントロールを行うことです。
セルフで不可侵友好条約を結ぶことができるようになった時、人間関係のマトリックスから自由になれます。
何も知識がなければ、人間関係のマトリックスに苦しむ
何も知識がなければ、相手のポジションに反射的に呼応してしまい、人間関係のマトリックス地獄が始まります。
しかし、人間関係のマトリックスの知識があれば、まず相手のポジションを確認することができるので、反射的に呼応してしまうことを防ぐことができます。
たとえば、ブラック上司などのネガティブ自立の人を目の前にしたとします。
人間関係のマトリックを思考することができれば、自分がポジティブ依存のポジションに飛ばされたことを感じることができます。
このとき、「自分はポジティブ依存のポジションはとらない」と決意できることで、ブラック上司などのネガティブ自立の人に対して、防御をはることができます。
もし、何の知識もなく、漫然とポジティブ依存のポジションに飛ばされているようでは、ブラック上司などのネガティブ自立の人を前にした時に、簡単にオドオドしたり、どもってしまうことでしょう。
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人間関係のマトリックス④ ~自分の内面でも、人間関係のマトリックスの力は働く~