自分が知っていることを過大評価する
人は、自分が知っていることを過大評価する一方で、自分が知らないことは過小評価する心理傾向をもっています。
そのため、人は、よく知っている自分のことを過大評価します。
反対に、自分のことほどよく知らない他人のことは、過小評価します。
たとえば、仕事において、自分が成し遂げた仕事は胸を張って良い自己評価をし、その自己評価は自分の心の中で色あせることなく記憶されます。
しかし、他人が成し遂げた仕事に対しては、「へー、すごいねー」という感じで、自分が成し遂げた仕事に比べると、さほど気にも留めません。
自分の知らないこと、偶然の出来事は過小評価する
人は、自分が知っていることについては、関心を示し、自信をもちます。
自分が知っていることに自信をもつ理由は、自分が知っている分野については、コントロール感からくる安心感と、確実性を感じるからです。
しかし、自分の知らないことや、自分が知ることのできない偶然の出来事については、それが重要なことであったとしても関心を示さず、さまつに扱います。
自分が知らないことや偶然の出来事は、コントロールすることができず、コントロール感を得られないことから不快を感じ、関心を示すことが苦痛になるからです。
このため、人は、自分が知らないことや偶然の出来事に対しては、関心を示して知ろうとせず、安易に過小評価し、適正な価値判断ができません。