保有効果とは?
持っているだけで価値が高まる心理効果を、保有効果といいます。
たとえば、私の場合、自分の持っているパソコン(4万5000円で購入)を売るとしたら、3万円の値段をつけます(買ってくれる人がいるかどうかは別として)。
しかし、もし、私が持っているパソコンと同じパソコンを中古で買うとしたら、5000円くらいじゃないと買いません。
みなさんも、自分の持っている物をいくらで売るか、逆に、いくらなら買うかを考えてもらうと、売値が高くなり、買値が安くなる結果になると思います。
このように、物、または物に限らず、金・権利などは、いったん保有することで、心理的な価値が高まるのです。
保有効果が生まれる理由
いったん保有した物・金・権利を手放すのには、苦痛が伴います。
その苦痛とは、「手放すことは損失だ」という感情反応(損失回避の心理)から起こります。
「いったん保有したものは、手放したくない、手放すことは損失であり、苦痛だ」という感情から、保有効果は生まれるのです。
ケチな人は保有効果に毒されている
客観的にみれば、払ったお金と、受け取った物の価値が釣り合っていても、お金を払うことに苦痛を伴う人は、保有効果に毒されています。
「お金を使うことは損だ」という感情にとらわれるのは、手放すことに苦痛を感じることが原因です。
金、物、サービスを交換するときは、手放すことが苦痛という感情反応を意識的に排除し、客観的に価値の等価性を吟味できることが大切です。
それができずに、思考停止で手放すことを惜しむ人は、ケチと認定できます。