私は、かなり緊張しやすい人間です。
たとえば、人の前でスピーチをするとなると、心臓がバクバクして、汗が出てきます。
ストレスで思考力が低下し、パフォーマンスが発揮できなくなります。
なので、私の中では、「緊張は悪いもの」というイメージがありました。
しかし、このイメージは間違いであり、研究によると、
適度は緊張は、能力を高める
ことが分かっています。
ヤーキーズ・ドットソンの法則
1908年に、心理学者ロバート・ヤーキーズとドットソン博士が、
学習活動に対する動機づけは適切なレベルにあることが必要(これを「ヤーキーズ・ドットソンの法則」といいます)
ということをマウスを使って証明した研究があります。
【実験内容】
電気ショックを使い、マウスが黒と白の目印を区別できるように学習訓練を行いました。
マウスが白と黒の目印の区別を間違えたときに、電気ショックを流して学習を促し、マウスの学習効率を観察しました。
【実験結果】
電気ショックの刺激が適度なときに、マウスは、最も早く白と黒の目印の区別を学習しました。
この実験から分かることは、
- 緊張や罰などのストレスは、一定量あったほうが、パフォーマンスは上昇する
- ストレスが強すぎても、弱すぎてもパフォーマンスは低下する
ということです。
つまり、ある程度の緊張があった方が、パフォーマンスは上昇するということです。
私のように、一方的に「緊張は悪いもの」と考えるのは間違っているということです。
緊張は、適量であれば、能力を高める起爆剤になる一面があるということです。
適度な緊張で能力が高まる理由
適度の緊張状態では、脳内でノルアドレナリンという脳内物質がほどよく分泌されます。
ノルアドレナリンは、集中力や判断力を高め、脳のパフォーマンスを向上させます。
ノルアドレナリンのほどよい分泌が、適度なストレス状態を生み、パフォーマンスを高めてくれるのです。
しかし、ノルアドレナリンは、ストレス物質でもあります。
ノルアドレナリンは、神経を興奮させる脳内物質でもあるので、ノルアドレナリンが分泌されすぎると、過剰なストレス状態を生み、脳のパフォーマンスを低下させます。
これは、過剰なストレス状態になると、脳の前頭前野(人間的思考をつかさどる脳の部位)が機能不全を起こし、思考力が激減し、まともな思考ができなくなってしまうためです。
極度の緊張状態になると、頭が真っ白になって、パニックになり、何も考えられなくなる状態が、まさにそれです。
まとめ
まずは、適度な緊張であれば、パフォーマンスを高めてくれることを理解することが大切です。
目指すは、適度な緊張状態です。
私は、適度な緊張はプラスの効果があり、過度な緊張はマイナスの効果を生むことを肝に命じ、自分自身をコントロールしていきたいと思っています。