私は、職場などの人間関係において、他人からの依頼を断れないことが多くあります。
これは、他人からの依頼を断ろうとすると、相手からどう思われるかという不安におそわれるからです。
しかし、成果を上げる人は、他人からの依頼を断ることができます。
成果を上げる人は、成果につながる仕事に厳選して取り組むことの価値を理解しているからです。
他人から依頼を断れない理由
他人からの依頼を断れない人は、人間関係に縛られる生き方を選択しています。
他人に自分をどう思われるかについて、不安を感じています。
もっとも、これは人として当然の心理です。
人間には集団本能があります。
狩猟採集時代では、人は、猛獣などの外敵や自然災害から自分の命を守るために、集団で生活することが必要でした。
集団に嫌われて、集団から省かれることは死を意味しました。
集団を作る人間が生き残ったのです。
そして、その子孫が私たちです。
したがって、私たちには、集団本能が強く備わっているのです。
そのため、私たちは、人の依頼や誘いを断ることを考えただけで、「ダメだ、断れない」という意識の壁が現れ、胸くそが悪くなるストレスを感じるのです。
他人から依頼を断れない人のマインドセット
他人からの依頼を断れない人は、‶人から嫌われたくない″という気持ちを先行させてしまう人です。
他人からの依頼を断ることで、相手から「使えないヤツだ」とか「従順じゃないヤツだ」と思われたくないと考えます。
他人からの依頼を断ることで、相手との良好な関係に傷がつくのではないかと考え、おそれます。
自分を守りたいという気持ちが、他人からの依頼を断れなくさせるのです。
他人からの依頼を断れる人のマインドセット
他人からの依頼を断れる人は、自分の時間とエネルギーには価値があると考えることができる人です。
仕事・家庭・趣味など場面を問わず、価値を生み出せる人の時間とエネルギーには価値があります。
私たちの時間とエネルギーは有限です。
1日は24時間の限定です。
朝起きてから1日に放出できるエネルギーは限られています。
仕事でも、家庭でも、趣味でも、自分が価値を生み出していると自覚できている人は、自分の時間とエネルギーは、安売りすべきではないことを知っています。
自分の時間とエネルギーに価値があると自覚できている人は、他人の依頼と、自分の時間とエネルギーを天秤にかけることができます。
他人の依頼に応えることが、その依頼に自分の時間とエネルギーを費やすに見合わなければ、他人の依頼を断るという判断を比較考量した上でできます。
比較考量することで、断ることに納得感を持つことができます。
他人の依頼を断ること(他人の期待に応えないこと)は、心が痛むことですが、それは仕方のないことです。
他人の依頼を断ったことで、相手が自分に対して敵対的気持ちを抱いたのであれば、その相手は絡まない方がいい人です。
そういった相手に対しては、「あなたに都合のいいように時間とエネルギーを使ってくれる相手をほかで探してくれ」という認識でいればOKです。
私たちの時間とエネルギーには価値があります。
私たちの時間とエネルギーを奪いにくる人(悪意はないが奪うことに無自覚な人を含む)の依頼は断って当然です。
他人からの依頼を断ることは相手を拒絶することではない
他人から依頼を断るのは、自分の時間とエネルギーを守るために行うのです。
他人から依頼を断ることは、 相手を拒絶する目的で行われるものではありません。
他人に依頼をすることが、相手の時間とエネルギーを奪う行為であることを理解せず、軽々しく頼みごとをしてくる人は、無神経な人です。
そのような無神経な人の依頼を断ることに罪悪感を感じる必要はありません。
まとめ
他人の依頼を断ろうとすると、罪悪感や気まずくなることを恐れる気持ちが生まれるため、人の依頼は、ついつい引き受けてしまいがちです。
他人の依頼をすべて引き受けてしまうと、重要でない業務に忙殺され、成果の上がる業務に力を注ぐことができません。
状況に応じて、他人から依頼を断れるように準備しておかなければなりません。
何でもかんでも他人の依頼を受けてしまうイエスマンは、自分の時間とエネルギーを消耗した上で、他人からなめられます。
時には、他人からの依頼を断ることで、‶私は、自分の時間とエネルギーを安売りしません″というメッセージを発することが必要です。
他人からの依頼を断ることができる人は、相手に「こいつはコントロールしにくいな」と思わせることができ、相手からなめられず、相手が敬意をもって接してくる可能性が高くなります。