【認知容易性】分かりやすい文章は、相手の感情を操作する

 以下の1、2の文章は、交通事故に関する文章です。

 どちらの文章の方が、交通事故を身近な危険として感じますか?

  1. あなたの住んでいる県では、毎月、1万人に1人が交通事故で死亡する
  2. あなたの住んでいる県では、毎月、0.001%の人が交通事故で死亡する

 ほとんどの人が、1の文章の方が、交通事故を身近な危険として感じたと思います。

 その理由は、1の文章の方が、認知容易性が高いことにあります。

(ちなみに、1と2のどちらの文章も同じことを言っています)

 認知容易性とは、認知のしやさ、つまり、「分かりやすさ」 のことです。

 認知性容易性が高い文章(または話)とは、

  • 具体的にイメージできる(具体性)
  • 鮮明にイメージできる(鮮明性)
  • すっと頭に入ってくる(流暢性)

といった要素が高い文章・話をいいます。

 同じ話をしても、認知容易性の違いで、上の交通事故の例文のように、同じこと言っていても、相手に異なる感情やイメージを抱かせます。

 交通事故の例文では、「0.001%」を「1万人に1人」ということで、「今月、自分が、その1万人のうちの1人になったらどうしよう」といったイメージを浮かび上がらせます。

 「0.001%」では、このイメージは浮かび上がりません。

 認知容易性が高い文章・話は、

 相手の感情反応を操作する余地を生む

のです。

 そのことを心得ている人は、分かりやすい文章・話を作り、抜け目なく、認知容易性の効果を活用して、相手の感情を操作しに行くことができます。

余談

 相対的な頻度(100人に1人など)で表現する方が、「確率」「可能性」などの言葉を使ったときより、確率の低い方に注意が向きます。

 たとえば、1%という表現より、100人に1人という表現の方が、確率の低い方(1人)がはっきりと見えます。

 これを「頻度表現の効果」といいます。

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