刑法(公務執行妨害罪)

公務執行妨害罪(22) ~「公務執行妨害罪の成立を認めるに当たり、職務執行妨害の結果が発生したことは要しない」を解説~

公務執行妨害罪の成立を認めるに当たり、職務執行妨害の結果が発生したことは要しない

 公務執行妨害罪(刑法95条1項)は、公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えれば犯罪が成立するのであって、職務執行妨害の結果が発生したことは必要とされないません。

 結果発生のおそれすら必要ではないとされます。

 これは、公務執行妨害罪は、公務員の職務執行の妨害行為を行えば犯罪が成立するのであり、妨害の結果発生は、犯罪の成否を決する要素ではないためです。

 なお、暴行・脅迫を加えることそれ自体がそのまま妨害となるため、暴行・脅迫があれば、妨害は生じていることになります。

 判例も職務執行妨害の結果が発生したことを要しないとしています。

大審院判決(昭和9年4月24日)

 この判決で、裁判官は、

  • 刑法95条第1項の罪の成立には、公務員がその職務を執行するに当たり、犯人において事実を知りながら、これに対し、その職務執行の妨害と考えるべき暴行又は脅迫を加えるをもって足り、現に職務執行妨害の結果を生ぜしめたる否と、また犯人においてその結果の発生を欲すると否とは、同罪の成否に影響なし

と判示しました。

最高裁判決(昭和25年10月20日)

 この判決で、裁判官は、

  • 刑法95条の公務執行妨害罪の要件たる暴行脅迫は、これにより現実に職務執行妨害の結果が発生したことを必要とするものではなく、妨害となるべきものであれば足りる

と判示しました。

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