刑法(脅迫罪)

脅迫罪(27) ~「脅迫罪の既遂時期(一般に人を畏怖させるに足りる程度の害悪を告知した時)」「害悪の通知をしても、相手がそれを了知しない場合は脅迫罪は成立しない」「脅迫罪に未遂はない」を判例で解説~

脅迫罪の既遂時期(一般に人を畏怖させるに足りる程度の害悪を告知した時)

 脅迫罪(刑法222条)の既遂時期は、

脅迫行為(一般に人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知)をした時

です。

 脅迫罪は、いわゆる表示犯であり、害悪の告知を表示した段階で犯罪が完了します。

害悪の通知をしても、相手がそれを了知しない場合は脅迫罪は成立しない

 脅迫罪の既遂時期は、『脅迫行為(一般に人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知)をした時』ですが、害悪の告知をしても、相手がそれを了知しない場合には、脅迫罪は成立しません。

 逆に言えば、相手が害悪の告知を了知すれば脅迫罪は成立するので、相手がどのように害悪の告知を了知しても構わず、了知に至る経過は、犯人の意図したものでなくてもよいです。

 この点について、参考となる事例として、以下の判例があります。

大審院判決(大正8年5月26日)

 犯人が脅迫状を掲示場の端に掛けておいたところ、第三者がたまたま脅迫状を発見して、脅迫状を被害者に届けて被害者が害悪の告知を了知した事案で、脅迫罪の成立を認めました。

脅迫罪に未遂はない

 脅迫罪に未遂の規定はありません。

 なので、脅迫未遂罪という概念はなく、脅迫罪の未遂は不可罰になります。

 脅迫罪が既遂に達しない場合には、犯罪を構成しないことになります。

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脅迫罪(1)~(35)の記事まとめ一覧

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