今回は、仕事で使える認知バイアスを3つ(現状維持バイアス、一貫性バイアス、確証バイアス)紹介します。
そもそも認知バイアスとは?
認知バイアスとは、人間が共通に持つ思考の型です。
人は、特別に意識をしなければ、認知バイアスに支配された物の考え方をします。
認知バイアスは、私たち世界を見るときの思考のクセです(しかも、その思考のクセは認識されません)。
思い込みや固定観念と考えると分かりやすいです。
この認知バイアスのせいで、人間はそれぞれ偏った視点をものごとを見ているのです。
仕事において、認知バイアスの知識を持っていると、上司の思考のクセを読むことができ、賢い立ち回りができるようになります。
現状維持バイアス
- いつもやっているからやめられない
- 現状のままでいたい
- 新しいことを始めたくない
という思考のクセを‶現状維持バイアス″といいます。
新しい企画を上司に提案すると、上司が真っ先に難色を示すのは、現状維持バイアスが発動することが原因です。
人は、今あるものは受け入れるが、今ないものは受け入れないという精神構造を持っているのです。
このような精神構造になる原因は、
- 現状を維持する方が安心
- 新しいことを始めるのは脳に負担がかかる
ことにあります。
現状を維持する方が安心
新しい世界に飛び込むことには、危険と不安が伴います。
不安を排除し、現在の慣れていて、安心できる状況のままでいたいと本能が欲するため、人は現状を維持したがります。
新しいことを始めるのは脳に負担がかかる
脳は、とにかく楽をしたい臓器です。勉強、筋トレなどエネルギーを使うことはしたくないのです。
新しいことを始めることは、新しい脳回路を一から構築することになり、相当なエネルギーを使うため、脳に負担がかかります。
楽をしたい脳は、脳に負担がかかるのを避けるため、「しんどいから新しいこと始めるな!」「楽な方を選べ!」という信号を私たちに発信します。
一貫性バイアス
ある人の過去の態度や行動が、現在も変わらず同じ状態であると思い込む心理を‶一貫性バイアス″といいます。
一貫性バイアスは、上司の部下に対する評価にあらわれます。
過去に成果をあげている人は、上司から「彼なら(彼女なら)今回も成果をあげてくれるだろう」と思ってもらえます。
逆に、過去に失敗している人は、上司から「コイツはまたヘマするかもしれないから注意して見ておかなければ」という印象を持たれしまいます。
(このあたりの話は、「【人生は平等ではない】勝ち組は勝ち続け、負け組は負け続ける」で解説しています)
上司の自分に対する評価は、一貫性バイアスというフィルターがかかっていることを知っておきましょう。
一貫性の心理
一貫性バイアスに関連して、‶一貫性の心理″という心理について説明します。
一貫性の心理は、人は自分の行動、言動、価値観に一貫性を保つように振る舞うことを好む心理をいいます。
一貫性を保てていると、人はコントロール感を得ることができ、心地良さを感じることができます。
人は、コントロールできるものは、安心・安全で生存上好ましいという認知をするのです。
逆に、人は、一貫性が保てていないものを見ると、コントロール感の欠如を感じます。
人は、自分がコントロールできないという感覚に陥ると、気持ちが揺さぶられ、ストレスを感じます。
人は、コントロールできないものは、先が想像できないため、不安で不快なものだという認知をします。
一貫性を保てているかどうかが、人間にとって快・不快の判断基準になるのです。
仕事においては、一貫性の心理に反するがために、上司からの指摘対象になることがよくあります。
例えば、
- 仕事のやり方が今までやっていたやり方と違う
- 作成した書類の表現方法が前の文章と後の文章で異なる
などといったことは、一貫性の心理の発動による指摘といえます。
確証バイアス
確証バイアスとは、仮説や信念を検証する際に、それを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない心理をいいます。
確証バイアスを制する者は仕事を制します。
自分が取り組んでいる企画の決裁をとりたいのであれば、自分の企画が指示される情報を可能な限りたくさん集めて決裁書類に重ねていきましょう。
自分の企画が支持される情報を重ねていき、上司を確証バイアスに入り込ませることができれば決裁はとれます。
まとめ
私は、仕事において、現状維持バイアス、一貫性バイアス、一貫性の心理、確証バイアスの知識をよく使っています。
たいていの上司は、バイアスどおりの反応をします。
バイアスを理解していると、職場で、コスパ良く、賢い立ち回りができるのでおすすめです。