人は「違い」で 「個 」 を特定する
人が、人を見るときに、強い関心事となるのが「違い」です。
人は、人を見るときに、容姿、髪型、身長、服装の違いなど、自分や大多数の人と異なる部分に、無意識に目が行ってしまいます。
これは、人が人を特定の個人として識別するためには、違いに目を向ける必要があるからです。
たとえば、髪型、服装が同じ双子の二人が横並びになると、違いが分からずに、個人を特定できず、接し方に困惑してしまいます。
人は、「違い」を認識できることで、「個」を特定できるようになるので、「違い」が強い関心事になっているのです。
「違い」を作ることで、人の関心を操作する
人は、違いに強い関心をもつ性質があります。
この性質を利用して、人に注目されたり、モノやサービスを売りたいときは、意図的に「違い」を作ることで、人の関心を操作できます。
学校で髪を染めてヤンキーぶる人たちがそれです。
ヤンキーぶって悪さを作り出すことで、他の生徒との違いを作り出し、周囲の関心が自分に向くように操作しているのです。
このように、良くも悪くも「違い」を打ち出すと人の関心を集めることができます。
人の注目を集めたくないなら「違い」を消す
人の注目を集めることは、良いこともありますが、悪いこともあります。
スキャンダルネタで人の注目を集めて、社会的に抹殺される芸能人、政治家、会社役員が毎月のように現れます。
人の注目を集めることは、リスクでもあるのです。
人の注目を集めるリスクを減らすためには、意図的に「違い」を消すことが大切です。
周囲と同じような言動・立ち振る舞いをし、他人との「違い」を消せば、他人の意識から外れることができます。
周囲と異なる言動、過激な発言や恰好はNGです。
とにかく周囲と同化することに徹して、他人と違うところが生じないようにすれば、人の注目を集めるリスクをなくせます。
‶人の関心事は違い ″ という性質を理解して利用すれば、人に注目されたり、人の注目を外したりすることが意図的にできます。
「違い」が関心事になるのは、モノやサービスでも同じ(パクリがたたかれる)
人に限らず、モノ・サービスについても、人は、「違い」を識別することで、「個」を特定します。
人は、違いを識別して「個」として認識したいのです。
「個」を特定できないものに対しては、不快感を感じます。
そのため、オリジナルとの「違い」が認識できず、「個」を感じられないモノ・サービスは、パクリと判断され、人々から受け入れられません。
人は、パクリのモノ・サービスをみると、「オリジナルと一緒じゃないか」とった不快感を感じます。
モノ・サービスを真似る場合は、どこにも存在しない独自性を加え、商品を手にとった人が「個」として認識できるようにしなければなりません。