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【心理学】 馴化(じゅんか) ~人は「慣れ」から逃れられない~

馴化(じゅんか)とは?

 心理学において、「馴化(じゅんか)」という用語があります。

 「馴化」とは、「慣れ」のことです。

 もっと詳しく説明すると、「馴化」とは、

 

素晴らしいと感じる出来事は、最初に起こったときが特別に素晴らしく、繰り返し起こるにつれ、素晴らしさが薄れていく現象

 

のことです。 

 素晴らしい映画、好きなアーティストのライブ、ディズニー旅行でも、最初が特別に素晴らしく、繰り返し見たり、体験することで、素晴らしいと思う感情は薄れていきます。

 ビールの一口目のおいしさが後に続かないのも「馴化」が起こるためです。

馴化を計算して未来を考える

 私たちは、「馴化」から逃れることはできません。

 「馴化」は、必ず起こる生理現象です。

 ‶ 一つの経験を何度も続けていくと、得られる喜びが減っていく ″ことを計算して、行動していくことが大切になります。

夫婦、恋愛関係

 付き合いが長くなるにつれ、お互いに「こんなはずじゃなかった」とイライラを感じる部分がたくさん出てきます。

 これも、「馴化」の影響です。

 「馴化」により、お互いを素晴らしいと思った当初の感情がなくなっていくので、相手の快く思わない部分に目がいくようになります。

 日本において35%の夫婦が離婚することや、恋愛3年説があるのは、「馴化」の影響といえます。

 「馴化」は、全ての人間関係で起こります。

 付き合いが長くなるにつれ、当初あった緊張感はうすれていき、お互いに敬意を払わなくなり、良い関係性は崩壊していきます。

 そして、人間関係のストレスやトラブルが増えていきます。

 人間関係は、「馴化」により、時間の経過とともに、関係性が変化していくことを計算して、付き合い方を考えていくことが大切になります。

仕事

 仕事を始めた当時にあったヤル気は、時間が経つにつれ、低減していきます。

 ‶働く意欲は2、3年目で急降下する”といわれたりします。

 誰しも、全く同じ仕事をずっと続けると、だるさを感じるようになります。

 これも「馴化」の影響です。

 「馴化」により、当初あったヤル気、熱量、緊張感は減っていきます。

 仕事が順風満帆だったとしても、現状に満足できなくなり、今やっている仕事に変化を与え、新天地を目指したくなります。

 経済や社会は激しく変化するため、仕事の内容もかわっていき、それに伴い、ヤル気の質も変化していきます。

「こんなはずじゃなかった」と後悔するのは、未来の感情を予測するときに、現在の感情を出発点にして考えてしまうから

 遠い将来について、心のイメージは、だれとどこで何をしているのかを見ることはできますが、いつしているのかを見ることはできません。

 遠い将来に関して、心は、時間をイメージすることができません。

 そのため、今の時間と将来の時間を完全に切り離して考えることができず、未来の感情を予測するときに、現在の感情を出発点に考えてしまいます。

 結果、未来の感情が、実際以上に今の感情に似ていると思い込んだ状態で、未来の感情を予測してしまいます。

 未来の感情を、現在の感情とは違うものだと考えずに予想してしまうため、いざ未来を迎えたときに「こんなはずじゃなかった」と後悔するのです。

馴化により価値は減っていくことを考慮する

 未来の感情を予測するときに、「馴化」により、最初に感じた素晴らしさが薄れていくことを割り引いて、未来の感情を予測することが大切です。

 最終的には「馴化」が極まり、「こんなはずじゃなかった」という感情を迎えると予測するくらいが現実を正確にとらえています。

 同じことを繰り返すうちに、感じる価値は日々薄れていくことを考慮して、未来の感情を予測する必要があります。