攻撃的な自己表現とは?
攻撃的な自己表現とは、
相手の気持ちや考えを考慮ぜず、高圧的に自分の気持ちや考えを率直に伝える自己表現
です。
攻撃的な自己表現は、非主張的な自己表現(自分の考え・気持ちを率直に伝えない自己表現)とは対照的な自己表現です。
攻撃的な自己表現は、
- 親と子供
- 上司と部下
- 先輩と後輩
のような上下関係で起こりやすいコミュニケーション形態です。
もちろん夫婦・恋人・友人関係など、対等な立場関係でも起こります。
攻撃的な自己表現の特徴
相手をコントロールしようとする
攻撃的な自己表現は、自分の欲求を攻撃的に相手にたたきつけ、威力をもって、手っ取り早く相手を自分の意に沿うようにコントロールしようとする特徴があります。
相手をコントロールしようとする意識は、攻撃的な自己表現をしている本人に自覚がない場合が多いです。
自覚がない理由は、「相手を言いくるめたい」といった攻撃的な感情が先走るので、ていねいに自分の感情を整理して客観視し、言語化しないためです。
また、相手をコントロールしようとする精神は、卑しく、軽蔑されるべき精神なので、自分の行為を正当化するために(正当化バイアス)、無意識のうちに、そのような精神を自覚することを回避することも要因としてあります。
相手をコントロールしようという意識は、自覚されず、潜在的に心に抱いた状態で、攻撃的な自己表現に不随してなされることが多いです。
そのため、本人に、相手をコントロールしようとすることに対して悪びれる意識はありません。
もし、攻撃的な自己表現をしてきた相手に対し、「あなたは自分の都合の良いように私をコントロールしようとしている」という事実を指摘しようものなら、相手は自分を正当化するため、「そんな卑しい気持ちはない」と猛反発するでしょう。
相手の気持ちを大切にしようという意識が欠落している
攻撃的な自己表現は、自分の言いたいことを曖昧にせず、はっきりと伝えるという点においては優れています。
しかし、その反面、「相手の気持ちや考えを理解しよう・大切にしよう」という意識が欠落しています。
こうなるのは、「自分は正しい」という強い自覚があるためす。
自分は正しいという意識があると、相手の考えや気持ちを想像し、受け入れる気がなくなります。
そのため、相手が間違っているという認識をもってしまい、相手に自分の考えや意見を有無を言わせずに押し付けようとしてしまいます。
「自分は正しい」という自覚ゆえに、相手を一方的に悪者にすることさえあります。
たとえば、
- 「私は言いたいことをはっきりと言っている。」
- 「あなたも言いたいことがあるならはっきりと言え。」
- 「はっきり言えないなら、それはあなたが悪い。」
といった感じて、自分を正当化しつつ、はっきりとものを言えない相手を悪者に仕立てあげます。
これは、「自分は正しい」という1つの観念にとらわれているため、本当は複数の考え方ができるのに、正しいと思った1つの考え方しかできなくなっていることに原因があります。
無視する、ばかにする、陰口を言うことも攻撃的な自己表現
無視する、ばかにする、陰口を言うのも攻撃的な自己表現に含まれます。
無視する、ばかにする、陰口を言うことは、間接的に相手をおとしめ、相手の立場を悪くし、相手を自分の意に沿うようにコントロールしようとするものなので、攻撃的な自己表現になります。
攻撃的な自己表現をせずに、アサーティブな自己表現をする
攻撃的な自己表現は、人間性が高い人でも、ついついやってしまうものです。
なので、可能な限り「自分は攻撃的な自己表現をしていないか」と内省し、自分自身を客観視することが必要です。
攻撃的な自己表現をしないためには、できるだけ、
をすることを心掛けることが有効策になります。
アサーティブな自己表現とは、
自分の気持ちや考えを、率直かつ状況に合った適切な方法で、相手の気持ちに配慮した上で伝える自己表現
をいいます。
アサーティブな自己表現は、良好で親密な人間関係を作るための最善の自己表現の方法です。
このシリーズの記事まとめ一覧
【アサーション①】非主張的な自己表現 ~自己主張できない人のコミュニケーション~
【アサーション②】攻撃的な自己表現 ~相手を責めてしまう人のコミュニケーション~
【アサーション③】アサーティブな自己表現 ~自分と他人の両方を大切にするコミュニケーション~