人付き合い、人間関係において求められるのは、「素の自分」「ありのままの自分」ではありません。
「素の自分」「ありのままの自分」で人間関係の輪の中に飛び込んだら、周囲の人たちから煙たがられます。
- 感情的になる
- 馴れ馴れしい
- 無礼である
といった立ち振る舞いは、「素の自分」「ありのままの自分」で人付き合いをしている典型です。
頭の良い人は、うまく立ち回るのに必要なのは、「素の自分」「ありのままの自分」ではないことを重々承知しています。
頭の悪い人は、そんなことはお構いなしです。
敢えて「素の自分」「ありのままの自分」をキャラクターとして売っている人もいますが、万人ウケはしません。
そのキャラクターに対して、図々しさを感じ、不快感を覚える人は少なからずいます。
組織
組織において、感情反応に任せて、自分の気持ちに忠実に振る舞うことは、最もやってはいけないことの一つです。
自分の気持ちに忠実に振る舞うことは、意思表示や判断の合理性を欠き、人間関係の軋轢を生む行為です。
たとえば、組織のリーダーであれば、怒りに任せて、部下を責めてはいけません。
会社が傾いているときであれば、内心は不安でも、周囲には「大丈夫だ。必ずうまくいく。」という自信や情熱のある態度を示し、優秀な人材の流出を防いだり、資金を調達しなければなりません。
組織に属する者は、
- その状況で求められる立ち振る舞い
- 周囲の人が期待するとおりの立ち振る舞い
をすることを求められているのです。
「素の自分」「ありのままの自分」から繰り出される立ち振る舞いは、求められていないのです。
家族、友人関係
「素の自分」「ありのままの自分」とは違う自分を演出しなければならないのは、組織内だけではなく、家庭や友人関係にも当てはまります。
慣れた人間関係にあぐらをかいて、「素の自分」「ありのままの自分」が出てしまい、ぞんざいな態度をとれば、次第に人間関係と居心地が悪くなり、一緒にはいられなくなります。
自分の感情に従えば、「素の自分」「ありのままの自分」を出したいところですが、他人はそれを求めていません。
自分の感じるままに行動したいという欲望に流されていては、近しい間柄だったとしても、良好な人間関係を維持することはできません。