人は、自分が見たいように事実を作る
人は、自分が見たいように事実を作ります。
自分が好む結論が得られそうな手法を選び、裏付けになりそうな事実から好ましい結論を作り上げます。
例えば、脱サラして起業しようとしている人に対して、「絶対ムリだって。こんな不景気に企業したら失敗する。」と言っている人がいたとします。
「絶対ムリだって」と言っている人が好む結論は、「脱サラ・起業・独立なんてできっこない」です。
そこに、「不景気」という裏付けになりそうな事実をくっつけて、自分が好む結論を作り出しているという構造になっています。
自分が好む結論にゴールするための情報を集めて、因果関係づけをして、自分にとって好ましい結論を作るというのが、意思決定に至るまでの流れです。
人は、自分が見たいように事実を作っていることに無自覚
人は、自分が好ましいと思う結論を支持する情報を選んで接触していきます。
そして、好ましい事実の存在を認識し、そこに低めの証明基準をあてはめて因果関係づけをして納得し、自分の中の事実を作ります。
ほとんどの人は、こんなふうに、ごまかしながら事実を作っていることを自覚していません。
事実(特に解釈に基づく事実)は、自分の意思とは無関係に存在しているものではないのです。
【追記】自分が好まない事実に対する証明基準は高くなる
仕事において、会社の上司を納得させることができずに、たくさんの疎明資料の提出を求められたことがある人は多いと思います。
一方、たいした疎明資料もないのに、上司の納得を得られることもあります。
この違いは何なのか。
それは、自分の提案が、上司が好む結論かどうかの違いにあります。
上司が好む結論に沿っていれば、上司は気持ちが良くなるので、結論の裏付けの証明基準は低くてすみます。
しかし、上司が好む結論に沿っていなかった場合、上司は気持ちが悪くなるので、その気持ち悪さを気持ち良さに変えるために、高い証明基準による因果関係づけが必要になります。
上司に限らず、顧客や仲間など、人対人の関係の中で、仕事が円滑いく理由は、自分のやっていることが、
相手が好む結論に沿っているから
であり、
仕事が円滑いなかい理由は、自分のやっていることが、
相手が好む結論に沿っていなから
です。