経験するより、記憶することが大切
人の心理は、「経験するより、記憶することが大切」と感じることについて書きます。
思考実験により、記憶の抹消は、経験の価値を大きく損なってしまうことが分かっています。
思考実験
休暇が終わると、休暇の記憶をすべて消してしまう薬を飲むとします。
被験者に「記憶が消される休暇にいくら払いますか?」と質問します。
多くの被験者は、記憶がなくなってしまうなら、わざわざ出かける必要はないと答えました。
この思考実験の結末は、私たちにも当てはまるのではないでしょうか?
たとえば、
- EXILEや嵐など好きなアーティストのライブに行くこと
- 高級旅館に宿泊すること
- ハワイやヨーロッパなどの海外旅行に行くこと
などの楽しみを経験できるが、後で記憶が抹消されることになった場合、これらの楽しみに高いお金と時間を払うでしょうか?
私なら、記憶がなくなるのであれば、高いお金や時間を払って、それらの楽しみの経験を買わないだろうと考えます。
直感的には、「経験している瞬間は、自分が楽しめているのだから、高いお金と時間を投下してもいいじゃないか」という発想にはなりません。
「何も覚えてないなら意味ないじゃん」となります。
心境としては、「記憶する自分」が重要なのであって、「経験する自分」は重要ではないということです。
経験は、記憶を作るための手段である
このとから、人は、記憶することが大切だと考えていることが分かります。
経験しても、その経験が記憶に残らないのであれば、意味がないと考えるわけです。
つまり、経験することは、記憶を残す(作る)ための手段として大切だということが分かります。