私たちは、本やインターネットなど、情報に価値を感じ、情報にお金を払って生活しています。
食べ物やモノと違い、本来、形のない情報に対し、人がお金を払う理由について、脳科学的な観点から書きます。
情報を得ることは快感である
人は、水や食べ物を求めるのと同じ神経作用で、情報を求めずにはいられません。
私たちが優れた情報源であるスマホに依存しているのがよい証拠です。
人は、情報を得ると、脳内からドーパミンという快楽物質が分泌されます。
ドーパミンは、人に快感を感じさせる脳内物質です。
ドーパミンは、覚せい剤使用時にも分泌される脳内物質で、快感により、人に一定の行動を繰り返させ、依存させる脳内麻薬の性質があります。
このことから、人にとって、情報を得る行為は、脳内からドーパミンが分泌され、快感を得ることができる行為なのです。
極論をいうと、薬物依存者が快感を得るために覚せい剤にお金を払うのと一緒で、人は、快感を得るために、情報にお金を払うのです。
なお、驚くことに、人間に限らず、サルでも情報を得ると脳内からドーパミンが分泌されることが実験で確認されています。
神経科学者ブロムバーグ・マーティンの実験
実験内容
サルに水を与える前に、「たくさんの水がもらえる記号」と「少ない水がもらえる記号」を覚えさせます。
水を与える前に、『事前の情報』として「たくさんの水がもらえる記号」と「少ない水がもらえる記号」をサルに見せます。
この時のサルの脳内のニューロン活動を記録します。
実験結果
実験の結果、サルの脳内で、水はもとより、『事前の情報』(「たくさんの水がもらえる記号」と「少ない水がもらえる記号」)に対してもドーパミンニューロンが発火していることが分かりました。
サルは、水のほか、『事前の情報』も欲しがったのです。
しかも、サルが『事前の情報』を期待したときのドーパミンニューロンの発火率が、水を得たときの発火率とほぼ同じでした。
サルの脳は、"情報は生存に不可欠な水と同じレベルで大切だ"という反応を示しました。
情報は気分を高揚させる
情報がお金になるもう一つの理由は、情報は気分を高揚させる力があるためです。
ブロムバーグ・マーティンのサルが、事前の情報を知りたがったのは、水がまもなく手に入ることを知ると、気分が高揚したからです。
情報は、そのときの気分に強い影響を及ぼします。
良い情報、有益な情報は、人の気分を高揚させるため、それが価値となり、お金になるのです。
情報で人は幸せになり、不幸にもなる
良い情報は人の幸福感を高め、悪い情報は人に絶望感を与えます。
現実に出来事が起こっていなくても、幸福感と絶望感を感じている状況を現実化させるので、情報には恐ろしい力があります。
私たちは、情報で気分が高揚したり、情報で絶望したりする経験を繰り返してきています。
よって、情報がメンタルに影響を及ぼすことや、情報を利用してメンタルを整えることができることを身をもって知っています。
そのため、人は、情報に選択的になり、自分にとって良い情報をキャッチしようとし、悪い情報を避けようとします。
このことからも、良い情報であれば、お金を払ってでもキャッチしてれる人が現れるのです。
まとめ
情報がお金になる理由は、
- 情報を得ることは快感である
- 情報は気分を高揚させる
となります。
情報はビジネスになるので、情報の性質を理解し、情報を扱える人材になることが必須です。
【追記】情報がお金になっている例
本、雑誌
本は著者がもつ知識を文字にして販売し、お金にしています。
週刊誌などの雑誌は、芸能人のスキャンダル情報などをお金に換えています。
テレビ
NHKは、私たちが、NHKから情報を受けとった対価として、強制的にダイレクト課金しています。
民放は、スポンサー企業が、CMで自社の商品情報を発信してくれた対価として、テレビ会社にCM料を払っています。
Google、Yahoo!、Twitter、YouTube、ブログ
情報に広告をつけて収益化させ、お金を動かします。
メルマガ、オンラインサロン
情報提供の対価として、有料会員がダイレクト課金をすることでお金を動かします。
セミナー、講演会
情報提供の対価として、参加者から参加料を徴してお金を動かします。
情報商材
副業で稼ぐ方法、ブログでの稼ぎ方といったノウハウなどの情報を商品にしてインターネットを介して販売します。
中には、悪徳な物も存在するため、情報商材=詐欺というイメージが定着していたりします。