学習

脳は、新しいことを始めることに拒否反応を示す→新しいことを始める方法

 新しいことを始めることができない人は、時代の変化に取り残されていきます。

 最近では、新しいことを始めることができず、時代の変化に付いて行かない人は、情弱や老害などと言われて揶揄されます。

 キャッシュレス決裁や格安SIMに付いてこれてますか?

 とはいえ、大半の人は今までになかった新しいことを始めることができません。

 これは脳の仕組み上、仕方のないことなのです。

脳は、新しいことを始めることに拒否反応を示す

 脳は、とても燃費の悪い臓器で、動かすのに多くの酸素と栄養が必要になります。

 特に、新しいことをするときには、相当なエネルギーを必要とします。

 相当なエネルギーを必要とするのは、新しいことをするための脳回路が構築されていないため、これから思考錯誤をして、新規に脳回路を構築する必要があるためです。

 しかし、残念なことに、脳は楽をしたがるようにプログラムされています。

 〝新しいことをしたり、難しいことを考えたり、キツイ運動はするな″と私たちに信号を発信します。

 脳としては、余計なエネルギーがかからないように、なるべく今している楽なことを続けたいのです。

 脳は、今している楽なことをできるだけ継続しようとし、逆に、新しいことを始めようとするとブレーキをかける仕組みになっているのです。

新しいことを始める方法

 脳は、私たちが新しいことを始めようとすると、〝新しいことは始めるな″とブレーキ信号を発信してきます。

 これは、新しいことを始めるのに、脳が膨大なエネルギーを使うため、楽をしたい脳は、私たちに〝しんどいことはするな″と命令を出すためです。

 全く何もないところから土台を作るのは(0から1を作るのは) 、相当な労力を必要とするので、脳は嫌がります。

 しかし、一度作った土台に土を足していく労力は(1を2・3・4としていく労力は)、0から1を作る労力に比べれば少なくすむので、楽をしたい脳の抵抗をそこまで受けなくなります。

 つまり、いかに0から1を作る作業に着手できるかがポイントになります。

中途半端にやる

 まずは、中途半端にやる!

 脳の「新しいことは始めたくない」というメンタルブロックを解除するために、まずは適当にやって中途半端な状態を作ることが有効になります。

 絵を描くときのデッサンのイメージです。

 中途半端な状態を完成させることで、次回着手するときには、

  • 0→1の作業ではなくなる
  • 新しい脳回路が多少は形成されている

ことから、脳が必要とするエネルギーが少なくすむ状態になっているので、最初の頃と比べると、脳の「新しいことは始めたくない」という信号が発信されなくなっています。

 「やる気はやり始めてから出る」といわれますが、これも同じ理由で、やり始めが一番脳がエネルギーを必要とするため、脳がやり始めること自体に抵抗しますが、やり始めた以降は、脳が必要とするエネルギーがどんどん少なくなっていくため、行動しやすくなっていくのです。

ツァイガルニク効果を利用する

 さらに、中途半端な状態を作ることで、ツァイガルニク効果を発揮でき、さらに次の行動に着手しやすくなります。

 ツァイガルニク効果とは、「やり切ったことよりも、達成できないことの方がより強い印象として残る現象」をいいます。

 平たくいうと、中途半端な状態がスッキリせず、気持ち悪いと感じる状態です。

 中途半端な気持ち悪さを解消したいという思いから、次の行動にやる気を出して着手することができるようになります。

 私は、ツァイガルニク効果を使って、仕事や勉強効率を上げています。

 一日の仕事は、わざとやり切らず、最後だけ中途半端に残すようにしています。

 中途半端に仕事を残すことで、今日やった仕事の流れと翌日やる仕事の段取りを頭の中で考えて整理する機会を得ることができます。

 そうすることで、翌日、仕事にスムーズに着手することができ、成果を上げやすくなります。

 勉強でもツァイガルニク効果は使えます。

 私は、ブログを書くときは、次のブログ記事のタイトルを書いてから終わります(私は、ブログは勉強だととらえています)。

 わざとやり切らない状況を作って終わることで、頭の中で次回のブログ記事の内容を気にならせ、次回ブログに着手するやる気を高めることができます。

 また、学生や受験生の皆さんは、勉強テキストの最後の問題を解かないで終わらせたり、次のページの最初の問題だけ解いて終わるとよいと思います。

 中途半端に勉強を終わらせることで、ツァイガルニク効果を発揮でき、次の勉強着手で起きる倦怠感を軽減することができます。むしろ、やる気を出させてくれるかもしれません。

まとめ

 脳は楽をしたいので、脳は新しいことを始めたくありません。

 しかし、変化の激しい現代社会において、新しいことをどんどん初めて、自分自身をアップデートしていかなければなりません。

 新しいことを始めるには、脳の「新しいことを始めたくない」というメンタルブロックを解除する必要があります。

 そのための方法として、今回は、まずは中途半端にやること、ツァイガルニク効果を引き出すことの2つを紹介しました。