人は、自分と他人を同列の存在として認知しません。
自分は他人よりも特別な存在という感覚で生きています。
その理由について書きます。
自分を知っている方法が特別
人が、自分を特別だと認知する理由は、
自分とは、世界でただ一人、自分という存在を自分の内側から知っている人間
だからです。
わたしの思考や感情を経験できるのは、わたしだけです。
他人がわたしの思考や感情を経験することはなく、生涯、わたしも他人の思考や感情を経験することはありません。
他人の思考や感情は、自分の思考や感情に照らし合わせて、外から観察して推測するしかありません。
私たちは、ひっきりなしに自分の頭をよぎる考えや感情の流れをモニターしています。
しかし、他人については、その人の言動をモニターするしかなく、しかもモニターするのは、その人がそばにいるときに限られます。
自分自身を知る方法と他者を知る方法がまったく異なり、モニターしている時間は、個々の他人はわずかであり、自分自身が圧倒的に長いのです。
このように、わたしたちは、特別な方法で自分自身を知っているため、自分を特別だと認知するのです。