怒りを生み出す脳の仕組みと怒りを客観視する方法

 怒りは、自分の思い通りにいかないことが起こった時、自分がコントロールできないことが起こった時に生じます。

 具体的には、「こうしよう」という予定、「こうありたい」という期待、「こうあるべき」という価値観(「べき思考」という)に反することが起こり、その反することが是正できないときに、『自分に不利益が起こっている!』『不利益を排除して自分を守れ!』と脳が反応し、闘争モードになり、怒りが生まれます。

 私は、怒りにうまく対処するために、怒りが生まれる仕組みを理解することが大切だと思っています。

 そうすることで、怒りを客観視できるようになり、自分の怒り、または、他人からの怒りに翻弄されず、冷静に対処することができ、精神を消耗しにくくなります。

 怒りは脳が作り出すものです。

 怒りが生まれる仕組みを理解するには、怒りを生み出す脳の仕組みを理解する必要があります。

怒りを感じた時、脳の中で起こっていること

 脳は、自分に不利益が起こると、その不利益を排除して自分を守るために、

  1. ノルアドレナリン(注1)とアドレナリン(注2)という脳内物質を分泌し、脳と身体を闘争モードにする
  2. 人に危険や恐怖などを感じさせる脳の部位である偏桃体(へんとうたい)を反応させ、出来事や相手に対する不快さを感じさせる

という2つのタスクを行い、精神を怒り状態にします。

 これが、怒りを生み出す脳の仕組みです。

 脳は、「アドレナリンの分泌」と「偏桃体の反応」の2つの作用を使って、精神を怒り状態にし、人を闘争に駆り立て、不利益を排除して自分を守る行動をとるように仕向けるのです。

(注1)ノルアドレナリンは神経に作用し、分泌されると、脳は興奮し、攻撃的になります。

(注2)アドレナリンは筋肉に作用し、分泌されると、身体への酸素の供給量が増やし、心拍数を上げるなど、身体の強化を行います。

怒りの対処法→怒りを客観視する

 自分に怒りが沸き起こったときは、カッとならないことが大切です。

 他人に怒りをぶつけられたときは、動揺して心を乱さないことが大切です。

 そのためには、怒りを客観的視点から認知し、知性と理性をもって対処することが肝心です。

 怒りを生み出す脳の仕組みに思考をフォーカスすることで、怒りを客観的視点から認知することができます。

 自分、またはこの人は、不利益を排除して自分を守るために、脳がノルアドレナリンなどの脳内物質を分泌し、怒りの状態になっているんだと冷静に考えられることが重要です。

 例えば、怒っている人と対面したら、「うわぁ、この人、今、脳からノルアドレナリンめっちゃ出て、偏桃体が震えてるよ」と思うくらいの客観的思考ができる余裕があるとよいと思います。

 その上で、個別のケースごとに、自分または相手が怒っている原因を分析し、どう立ち回るのが有効かを考えていくとよいと思います。

 怒りを、真っ先に人の人格や性格、感情と結び付けて考えると客観的な思考ができなくなるので注意しましょう。

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