暗黙のエゴ
社会心理学の研究によると、人は、自分と似ている人を助ける傾向があることが分かっています。
この傾向を、「暗黙のエゴ」といいます。
この ‶ 似ている ″ は、全然重要ではない些細なことや、偶然の一致のもので十分です。
たとえば、
- 出身が同じだとか
- 同じスポーツをやっていたとか
- ファッションセンスが似ている
といったもので十分です。
人は、相手に自分と似ている点があるだけで、依頼に快く応じやすくなったり、困っている相手を積極的に助けようと思えるようになります。
人が他人を助けるときは、「暗黙のエゴ」効果が働いているのです。
人は、自分の同類を嗅ぎ分ける
人は、自分と同類の人を嗅ぎ分け、反応する能力に長けています。
誰しも、「この人とは仲良くなれる」「この人とは仲良くなれない」というのが直感で分かります。
この線引きをしているのが、自分と同類かどうかの嗅ぎ分けです。
自分と同類かどうかを嗅ぎ分けることができるのは、集団を作って生きる人間にとって、自分と同類かどうか、自分と同じような遺伝形質であるかどうか見分けることが、種の存続にとって大切だったためと考えられています。
同類かどうかの嗅ぎ分けの決め手は、
- 価値観が似ているか
- 物事の見方が似ているか
にあります。
そのため、価値観や物の見方が似ているということが、人間関係の決め手になります。
逆にいえば、価値観や物の見方が似ていない人とは、仲良くなるのが本能的に難しいので、自分に無理を強いて、仲の良さを取り繕う努力をしたりするのは、賢明ではありません。
価値観や物の見方が似ている人との付き合いの方に時間を費やし、価値観や物の見方が似ていない人との付き合いは、ほどほどにした方が人生が有意義になるでしょう。
「暗黙のエゴ」と同じく、人は、自分と似た人に惹かれる傾向を備えているのです。
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