【自己利益の原則】人も、組織も、我が身が第一

 今回は、以下の3つのことについて書きます。

  1. 他人は、あなたの過去の功績を評価しない ➡ 他人が期待するのは、あなたが将来に何をしれくれるかである
  2. 人も、組織も、我が身が第一 ➡ 他人に評価されることを期待すべきではない
  3. 人は組織に所属して、安心・安定を感じたい ➡ だから会社や上司を信じたがる

他人はあなたの過去の功績を評価しない

 自分の中では、自分の残した過去の実績や、過去の貢献は素晴らしく、何度も思い出し、色あせることはありません。

 会社であれば、「自分は過去に、会社に良い貢献した。だから、自分は評価されるべき。」と考えてしまいます。

 しかしながら、この考えは、自分の中にしか存在しない幻想です。

 会社や上司は、あなたの残した過去の功績など気にもとめていません。

 なぜならば、相手が期待しているのは、「将来にあなたが何をしてくれるか」だからです。

 どんな組織でも、どんな人でも、未来のために投資しなければなりません。

 組織も、人も、生き残りと将来の繁栄を賭けた投資先は未来だからです。

 どんなに過ぎ去った過去が素晴らしくても、過去の栄光に払う金はありません。

 たとえば、過去に大いに売れたが、今は売れていないアーティストに予算は使われません。

 なので、「過去の自分は素晴らしかった。だから自分は評価されるべき。」という考えは改めなければなりません。

人も、組織も、我が身が第一

 人も、組織も、自身の生き残りと将来の繁栄を賭けて活動しています。

 つまり、人も、組織も、自分の身を守り、自己の利益を追求しているのです。

 そのため、本能的なところでは、人も、組織も、我が身の安全を第一に考えています。

 ちなみに、これを「自己利益の原則」といいます。

 たとえば、会社の上司や先輩、もちろん自分も、「自分を守りたい」という感情反応が、仕事の判断や意思決定に必ずと言っていいほど反映されています。

 人も、組織も、自分の身を守り、自己の利益を追求していることを、はっきりと頭に留めておくことで、次のことが見えてきます。

 それは、努力をすれば、他人から評価され、認められ、報われるという期待は嘘であるということです。

 人も、組織も、自分の身を守り、自己の利益を追求するのが第一なので、他人を評価してあげることは、二の次なのです。

 他人が二の次にしていることに、期待し、努力するのは、的外れです。

 また、自分の功績と忠誠心に対して報奨や地位が約束されると考えるのも間違いです。

 人は、自分以外の他人の報奨や地位に重大な興味はないからです。

 『他人は、自分の身を守り、自己の利益を追求することを第一に考えている ➡ そんな他人に評価されることを求め、報酬を与えてもらうことを期待すべきではない』

と考えられることが大切です。

 『報酬は、他人から与えられるのではなく、自ら生み出す』という気概でいるべきです。

 他人は、自己の利益に基づいて行動することを忘れてはいけません。

 他人の行動をそのように予想できれば、他人というものをどのように捉え、自分がどのような行動をとれば良いのかが見えてきます。

人は組織に所属して、安心・安定を感じたい

 多くの人が、会社を信じ、上司などの評価者を信じたがります。

 理由は、人は、生きている間中、安心や安定の感覚を得るため、誰かしら付き従う相手を求めているためです。

 人は、付き従う相手がいることで、自分は守られているという安心や安定を感じることができるのです。

 ドイツの心理学者エーリッヒ・フロムは、「制度あるいは他人によって課されていた制限や束縛から解き放たれたとき、人間が必ずしもその自由をよいものとは考えないこと、それどころか、多くの人は自由に戸惑い、束縛されていない状態を心地悪く感じる」と指摘します。

 人は、独立を手に入れることに素晴らしさを感じます。

 しかし、独立を手に入れてしまうと、今度は、安心や安定がほしくなり、導いてくれる人を求めます。

 これは、子供の頃に、親の手で守られていたことに起因します。

 大人になったからとって、何かに守られ、安心や安定を感じたいと欲する依存心は、まったく消えるわけでありません。

 そのようなわけで、会社のような大きな集団に属したり、強いリーダーに付き従いたくなるのです。

 挙句の果てには、自分の居場所作りのために、愚行を行うリーダーに熱狂的に付き従おうとする人さえ現れます。

 このように、自分を仲間に入れてくれ、守ってくれる強力なリーダーのいる集団に属しようとする性質があることが影響して、多くの人は、会社を信じ、上司などの評価者を信じたがるのです。

 ここで思い出してほしいのは、潜在的には、会社や、上司などの評価者は、自分の身を守り、自己の利益を追求ことを第一の目的としていることです。

 あなたを守ることは、第一の目的ではありません。

 にもかかわらず、そんな会社を信じ、上司などの評価者を信じたがるのは、大きなものに巻かれることで、ただ自分自身が安心・安定という精神の平穏を手に入れたいだけなのかもしれません。

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