学習

脳は、生き残るための反応をする=幸福感を与える反応はしない

脳はサバイバル反応するようにできている

 脳は、進化の過程で、生命体が生き延びるために解決しなければならない重要な問題を常時評価するようになりました。

  • 今どんな状況か。
  • 何か危険な兆候はあるか。
  • いつも通りか。
  • 近づくべきか、逃げるべきか。

など、脳は生き残るための反応(サバイバル反応)を、無意識に、常に行うように進化したということです。

 人間の脳も、生物として生き残ることを最優先事項としている点においては、サバンナのガゼルと一緒です。

 私たちが生活する現代は、突然ライオンに襲われて命を奪われる心配もなく、食べ物は捨てるほどあるので、命を守る緊急性に乏しい社会です。

 しかし、私たちは、危険のレベルを常時評価する自然のメカニズムを受け継いできています。

 このメカニズムは、オフにすることはできません。

 脳は、私たちの意識に関係なく、状況は良いのか・悪いのか、危険か・安全か、逃げるべきか・近づくべきかなどの

   サバイバル反応

を常に行っているのです。

脳は、私たちに幸福感を与える反応はしない

 脳が行うのは、不安・恐怖・怒りなどの生き残るためのサバイバル反応です。

 ここで重要なのは、脳は、生き残るための反応をするのであって、

  • 自分自身を幸福にする反応をするわけではない

ということです。

 脳は、幸せ・喜び・自己充足感・高揚感など、私たちに幸せを感じさせる反応を与えることを使命としていません。

 脳が、24時間、私たちの意識とは無関係に提供してくれるのは、サバイバル反応であって、自分自身に人生の幸福感を与える反応ではないのです。

幸福感は作り出さなければならない

 脳は、自分自身に幸福感を感じさせる反応を与えることを目的として動いていません。

 つまり、私たちは、意識的に幸福感を作り出すように努力しなければ、安定して幸福感を感じることができません。

 意識的に幸福感を感じる努力をしなければ、ネガティブな出来事にすぐに気が沈み、メンタル的に苦しむことが多くなる人生を歩むことになります。

 現代は、突然ライオンに襲われて命を奪われる心配もなく、食べ物は十分にあり、命を守る緊急性に乏しい社会です。

 脳が勝手に行ってしまう、不安・恐怖・怒りなどのサバイバル反応は、そこまで必要ありません。

 しかし、脳は、数百万年かけて、サバイバル反応をするように進化してきているので、私たちは、不安・恐怖・怒りなどのサバイバル反応を止めることができません。

 思考停止で、脳の本能的な動きのままに生きたら、脳のサバイバル反応により、不安・恐怖・怒りなどの危機的感情をたくさん味わうことになり、苦しい人生になります。

 脳は、不安・恐怖・怒りなどのサバイバル感情を頻繁に提供してはくれるものの、幸せ・喜び・自己充足感・高揚感などの幸福感は、都合良く提供してくれません。

 つまり、人生を苦しいものにしたくなければ、幸せ・喜び・自己充足感・高揚感などの幸福感を、自分の意思で、努力して作り出さなければならないということです。

幸福感を感じるためには努力・勉強・実践が必要

 ビジネス本、哲学書、自己啓発本、ビジネス系ユーチューバーの動画など、幸福感を努力して作り出す方法を記録したマインドセットツールはあふれています。

  • 失敗は成長
  • ピンチはチャンス
  • 死ぬこと以外はかすり傷

など、脳がもたらす不安・恐怖・怒りなどのサバイバル反応を打ち消し、幸福感を感じるための思考法は、偉人や成功者たちが、言葉を変えて繰り返し情報発信しています。

 脳のサバイバル反応を打ち消し、幸福感を感じるための思考法の習得は、もはや技術の習得です。

 技術を身に着けるためには、努力して、勉強して、実践しなければなりません。

 幸福感を感じる人生を歩むには、脳のサバイバル反応を打ち消し、幸福感を感じるための思考法を、努力して、勉強して、実践する必要があるということです。

「キモい」「宗教でしょ?」

 この手の自己啓発的な話に対しては、嫌悪感を感じて、「キモい」「宗教でしょ?」などと言う人が多いことは分かっています。

 この記事を書いている私自身も、自己啓発的な話に対して、若干の嫌悪感を感じることがあります。

 ですが、

  1. 不安・恐怖・怒りなどのマイナスの感情が沸き起こってしまうのをセーブできない人
  2. 不安・恐怖・怒りなどのマイナスの感情が沸き起こってしまうのをセーブし、幸せ・喜び・自己充足感・高揚感などのプラスの感情を感じることができるように自分を鍛えあげた人

とでは、どちらの人の方が、他人から支持され、社会的に成功でき、幸福感を感じられる人生を歩める可能性が高いかは明白です。