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メンタルを強くする方法~自己肯定感のコントロールの主導権を自分が握る~

 メンタルを強くする効果的な方法をお話しします。

 それは、自己肯定感のコントロールの主導権を自分が握る(他人に自己肯定感のコントロールの主導権を握らせない)という方法です。

 分かりやすくいうと、自分自身に対する評価(良い悪い、優秀劣等、イケてるイケてないなど)は、自分だけが決めるルールにするという思考法です。

 やってはいけないことは、自分自身に対する評価を他人に決めさせることです。

 自分自身に対する評価を他人に決めさせると、他人の言動で自分のメンタルを浮き沈みさせられてしまうからです(これが、他人に自己肯定感のコントロールの主導権を握らせている状態です)。

自己肯定感とは何か

 自己肯定感とは、自分の価値を肯定できる感情のことをいいます。

 自己肯定感を高く保つことができると

  • ポジティブな精神状態を維持できる
  • パフォーマンスが上がる(脳からドーパミンが分泌され、血管が拡張して血流が良くなり、意欲・思考力・記憶力・集中力・やる気が高まる)
  • 快楽、安心の感情で満たされる

などのプラスの効果が現れます。

 自己肯定感を高く保てなくなると

  • ネガティブな精神状態になる
  • パフォーマンスが下がる(脳からストレスホルモンが分泌され、血管が収縮して血流が悪くなり、意欲・思考力・記憶力・集中力が低下する)
  • 恐怖、不安の感情に支配される

などのマイナスの効果が現れます。

ほとんどの人は、自分の価値は他人が評価するものだという固定観念が形成されている

 自分には価値があると思える状況が起これば自己肯定感が上がり、自分には価値がないと思える状況が起これば自己肯定感は下がります。

 問題なのが、私たちは、無意識のうちに、自分に価値があるないかの判断を他人の言動にゆだねてしまうことです。

 シンプルにいうと、「他人からほめられれば自己肯定感が上がる」「他人から批判されれば自己肯定感が下がる」というのが、私たちの自己肯定感の浮き沈みの基本スイッチになっています。

 これは、私たちが、自分に価値があるかどうかの判断を、他人の評価にゆだねる社会システムの中で生きていることが原因です。

 学生の段階では、成績評価で自分の価値の格付けがされます。

 テストでいい点数を採ったり、部活で成績を残したり、偏差値の高い高校・大学に受かることで、他人(先生)から優秀のレッテルを貼ってもらい、嬉しくなって自分には価値があるんだと認識し、自己肯定感を高めます。

 社会人の段階では、人事評価で自分の価値の格付けがされます。

 優秀な営業成績を残したり、新規プロジェクトを成功させたりすることで、他人(上司など)から優秀のレッテルを貼ってもらい、嬉しくなって自分には価値があるんだと認識し、自己肯定感を高めます。

 つまり、私たちは、他人からの評価で自分の価値を認識する社会システムで生きてきた(生きている)ため、自分の価値は他人が評価するものだという固定観念(思い込み)が形成されているて、他人の言動に簡単に影響され、一喜一憂してしまうのです。

 おまけに、私たちは、自分の価値は自分で決める思考をするための教育や訓練を受けておらず、これからも受けることはないので、何もしなければ、自分の価値は他人が評価するものだという固定観念から脱却することはできないでしょう。

 ここで余談ですが、そもそも、ほめるという行為や、他人を評価するというシステムは、上位者が下位者を飼いならして、上位者の都合のよいように下位者をコントロールするための手法であるという側面があることに気づいておきましょう。

メンタルを強くする方法~自己肯定感のコントロールの主導権を自分が握る~

 メンタルが弱くなる原因は、自分自身に対する評価を他人に決めさせているため、他人の言動で自分の自己肯定感を浮き沈みさせられてしまうことにあります。

 他人にほめられれば、簡単に嬉しくなり、ポジティブになってパフォーマンスが上がります。

 他人にほめられて、簡単に嬉しくなり、ポジティブになってパフォーマンスが上がる分には良いですが、この反対効果として、他人に批判されれば、簡単に傷ついてネガティブになってパフォーマンスが下がります。

 世の中は、相対的に肯定されることより、否定されることの方が多く、しかも、人間は否定的なメッセージをしっかりキャッチし、入念に処理する脳の仕組みになっているため(人間は危険を回避して生存率を上げるためにネガティブ情報を念入り処理しようとする脳の作りになっている)、正直でまじめで真っ直ぐに生きている人ほどメンタルを病みます。

 メンタルを強く保つために、自分自身に対する評価を他人に決めさせてはいけません。

 自分自身に対する評価は自分だけが決めるという思考に切り替えることで、自分自身に対する評価を他人に決めさせないことができます。

 具体的には、他人は、あらゆる場面であたなを評価してきますが、心の中で「自分自身に対する評価は自分だけがすると決めているので、あなたの評価は受け付けません。お引き取りください。」とはねのける思考をすることになります。

 他人からほめられたとしても、「他人からほめられた=自分には価値がある」と反応して気持ちを浮つかせてはいけません。

 自己肯定感が上がることはいいことなのですが、これでは、他人に自己肯定感のコントロールの主導権を握られているからダメです。

 「他人からほめられる=自分には価値がある」という思考になっていると、すぐに他人の言動で一喜一憂するメンタルが弱い状態に戻ります。

 たとえ他人からほめられたとしても、「他人からほめられるようなことをする自分がすごい=自分には価値がある」と思考してください。

 他人が自分をほめるのは他人の勝手であって、他人がほめるようなことをする自分がすごいと思考することで、自己肯定感が上がる場面においても、自己肯定感のコントロールの主導権を他人には握らせず、自分が握ることができます。

 今お話ししたことは、自分のメンタルを安定させて、高いパフォーマンスを保つための技術として有効な思考法です。

 この思考法を反復して繰り返すことで自己洗脳(かっこよくいうとマインドセット、固定観念化)できるので、そうなった頃にはメンタルが今よりも強くなっています。

 自分で自分をほめることで満足でき、他人からほめられなくても構わないと思える域に達すると、自己肯定感を自分の意思でコントロールでき、ハイパフォーマンス状態を意図的に作り出すことができるようになりす。

追記

 自己肯定感を安定して自分の力でコントロールするために、自分で自分をほめること可能な限りたくさん行っていくことが肝心です。

 私の場合は、朝早めに起きて、家族のために部屋の掃除をして、食洗器にかけた食器を片付けて、洗濯物を外に干してから出勤しています。

 この時、「朝早く起きて、家族のために部屋の掃除をして、食洗器にかけた食器を片付けて、洗濯物を外に干してから出勤する自分すごい」と敢えて思うようにしています。

 些細なことでいいので、面倒くさがらずに、自分で自分をほめることができる行動と自分をほめる思考を繰り返し行うことで、自己肯定感をセルフで上げることが安定してできるようになる上、他人のほめる・批判するなどの言動を受けても、自己肯定感がブレないように制御できるようになります。