刑事訴訟法(公判)

訴因変更⑧~「起訴状の訂正、起訴状の補正とは?」「起訴状の訂正(補正)と訴因変更の違い」を説明

 前回の記事の続きです。

起訴状の訂正、起訴状の補正とは?

「起訴状の訂正」又は「起訴状の補正」は、検察官が起訴状に記載した

訴因・罰条の明白な誤記・脱漏を直す場合

に行われる起訴状の訂正(補正)手段です。

起訴状の訂正(補正)と訴因変更の違い

 「起訴状の訂正」又は「起訴状の補正」は、

訴因の内容を変えないで(訴因の同一性を害しない限度で)、訴因の記載を訂正する場合

に採られる方法です。

 これに対し、訴因変更は、

訴因の内容を変更する場合

に採られる方法です。

 例えば、窃盗の訴因を横領の訴因に変更する場合は、訴因・罰条の明白な誤記・脱漏を直す場合に当たらず、訴因の内容が変わっているので、検察官は、起訴状の訂正ではなく、訴因変更の手段を採ることになります。

 また、起訴状の訂正(補正)を行うに当たっては、訴因変更と異なり、裁判所の許可や弁護人の同意は必要ありません。

起訴状の訂正(補正)の方法

 起訴状の訂正(補正)の方法は、検察官が裁判官に対し、書面を提出する方法で行っても、口頭で行ってもよいとされます。

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