近年の研究で、脳細胞は、運動によって増え、ストレスによって死ぬことが分かっています。
(脳細胞が増えること、死ぬことについては、『脳細胞を増やす方法 ~ニューロンは運動で増え、ストレスで死ぬ~』で書いています)
脳細胞が増える分には問題ないですが、脳細胞が死ぬのは問題です。
ストレスフルな人は、脳が機能不全を起こし、思考力が低下し、論理的な思考や感情の整理がうまくできず、キレて不合理なことを言い出したり、または鬱になったりします。
これは、ストレスにより脳細胞が死ぬことで、開かれたクリアな思考ができなくなり、悲観・恐怖などの一定の同じ思考パターンにはまり込んでしまうためです。
このことから、ストレスで脳細胞が死なないように対処をしなければなりません。
そこで、活躍するのが、
ストレス免疫
です。
ストレス免疫とは?
ストレスによって、脳細胞(ニューロン)が傷つきます。
このとき、少々のストレスであれば、ニューロンの修復メカニズムが働いて、ニューロンが強くなって帰ってきます。
この現象をストレス免疫といいます。
少々のストレスであれば、ニューロンは、筋トレをしたときの筋肉と同じように、一度壊れて、その後、より丈夫に作り直されるのです。
このストレス免疫の機能により、人は、適応能力を高め、前よりも強くなることができ、問題に対処できるようになっていくのです。
この点、ストレスは、人が成長するために、必要不可欠なものであるともいえます。
ストレス免疫が機能するのは、少々のストレスのときである
ストレス免疫が機能し、ニューロンが修復するのは、少々のストレスのときです。
有害で大きなストレス下においては、ニューロンは修復されません。
有害で大きなストレスを受けると、脳からコルチゾールというストレス物質が休みなく分泌され、その結果、ニューロンの結合は切断され、樹状突起は萎縮し、脳細胞が死にます。
ついでに海馬(脳の記憶をつかさどる部位)もしなびてしまいます。
このように、有害で大きなストレスを受けている人は、たくさんの脳細胞が死んで、頭が弱くなり、四六時中、恐怖や不安のなどの想像にとりつかれるなど、知能が低い思考しかできなくなります。
ストレス免疫が機能しない有害なストレス環境からは逃げるべき
ストレス免疫を発動させるには、ストレスを少々のものにする必要があります。
同じ状況でも、人によってストレスの感じ方は違います。
つまり、ストレスの感じ方は、ある程度コントロールできるのです。
心理学や脳科学などの知識を使ったり、自分を客観視するなどの方法で、ストレスに対処することで、気持ちが変わり、それによって、脳がどう変化するかも違ってきます。
ストレスがコントロールの効くものであれば、能動的にストレスに対処することで、ストレスを小さくすることができます。
しかし、ストレスが、コントロールの効かない有害なものであり、ひたすら受け身になってしまい、逃げ道もないような場合には、自分の力ではどうしようもできないので、その環境から逃げることをお勧めします。
苦痛に耐え、有害なストレス環境に身を置き続けたとしても、脳細胞が壊れ続け、知能が低くなり、状況を好転させる能力も失われるので、さっさと白旗を振って、有害なストレス環境から脱出するのが賢明です。