代表的な印象でキャラクターが決まる
その人の代表的な印象で、その人のキャラクターが決まります。
たとえば、
組織内で、リーダー的な強いオーラを発し、尊敬と信頼に値する人物だと印象づけてしまえば、周囲の人たちは、その人をリーダーとして、自然と認めるようになります。
ムードメーカー的な強いオーラを発し、楽しい雰囲気を作ってくれる人物だと印象づけてしまえば、周囲の人たちは、その人をムードメーカーとして、自然と認めるようになります。
仕事できないオーラを発し、ダメなヤツだと印象づけられると、周囲の人たちは、その人をダメなヤツとして認識するようになります。
代表的な印象でキャラクターが決まる原因➡確証バイアス
代表的な印象でキャラクターが決まる原因は、
人間は、人を見るときに、その人に対して抱いている印象と一致する情報を優先的に探す心理作用をもっている
ことにあります。
この心理作用を「確証バイアス」といいます。
確証バイアスは、心理学的には、
「自分の先入観や期待と一致する証拠のみを探す心理傾向」
と定義されます。
要するに、人間は、自分の見たいものに自然と注意が向き、結果として、自分の見たいものを、自分が見たいように見るということです。
よって、
リーダー的人物として印象をもった人に対しては、その人が、リーダー的に立ち振る舞ったシーンに自然と注目してしまい、リーダー的人物としての印象が、さらに強化されます。
ムードメーカー的人物として印象をもった人に対しては、その人が、ムードメーカー的に立ち振る舞ったシーンに自然と注目してしまい、ムードメーカー的人物としての印象が、さらに強化されます。
ダメなヤツとして印象をもった人に対しては、その人が、ドジをしたシーンに自然と注目してしまい、ダメなヤツとしての印象が、さらに強化されます。
さらに、自分の抱いている印象と一致する情報を探したり、過大評価したりするだけでなく、一致しない情報は無視されるか、たいして印象に残りません。
この心理メカニズムにより、人は、代表的な印象で、その人のキャラクターが決まってしまうのです。
究極的には、人は、他人が抱く自分自身の代表的な印象で、集団内において、その人が歩む人生がおおむね決まってしまいます(冗談抜きです)。
代表的な印象を変えるのは難しい
集団内におけるポジションを変えようとして、他人が自分自身に対して抱いている代表的な印象を、意図的に変えるのは難しいです。
なぜならば、他人が自分自身に対して抱いている代表的な印象と違う行動をとると、他人に違和感を与えてしまい、スベるからです。
人は、確証バイアスに基づいた心の動きをみせるので、他人に、代表的な印象と違う ‶ らしくない ″ 行動をとられると、「その行動は、自分が見たい行動ではない」という印象を抱き、不快感を感じます。
たとえば、会社内で、いつも面白いことをして笑わせてくれる人が、会社の忘年会で一発ギャクをやれば、ウケやすいわけです。
面白いことをしてくれる人という代表的な印象があるので、一発ギャクをやる前から面白い感じが出来上がっているのです。
しかし、今まで職場内でギャグなど言ったことのない人が、会社の忘年会で一発ギャクをやってもウケにくわけです。
満を持して、一発ギャクをやったとしても、周囲が抱く代表的な印象と不一致を起こし、違和感を与えてしまうため、笑えないのです。
むしろ、痛い感じになって地獄を見ます。
リーダー的な印象を持たれていない人が、優越的ポジションの獲得を夢見て、リーダー的立ち振る舞いをやってのけると、他人は不快感を覚えます。
私が高校生ときの話です。
球技大会のバスケットボールの試合で、私のクラスが負けているときに、クラスの冴えないヤツが、いきなり「諦めんな!まだ負けてねぇ!!」とリーダー的な立ち振る舞いをし始めたことがありました。
クラス全体が「うわぁっ、何でコイツ、いきなりイキりだしてんだ!?」という超絶寒い空気になり、痛すぎて悶え死にそうになったことを今でも覚えています。
リーダーの代表的印象がない人が、無理にリーダー表現をすると、周囲は受け入れることができないのです。
自分のキャラじゃないことを、意図的に表現する場合は、周囲にいる他人の精神がついてこれないことを理解しておくべきです。
何か事を起こしたい場合は、まず、周囲にいる他人が自分自身に抱いているキャラクターを理解し、自分のキャラクター路線を生かした行動を展開するのが良いと思います。