善人さ・有能さを人目にさらそうとする人たち
自分が善人であり、有能であることを人目にさらそうとする人たちがいます。
なぜそのようなことをするかというと、人目のある環境において、他人に対し、気前よく自分の知識を分け与え、助言をし、手助けをすれば、自分の評価が上がると理解しているからです。
人から評価されたい、認められて事後的な報酬を得たいという承認欲求に基づく動機で、自分の善行、有能さを演出して人目にさらすのです。
実際に、自分は善人であり、有能だという見せ方をすることで、一定数の人は、「この人は良い人で、能力がある人だ」という認識をもってくれます。
この手の人は、根っからの善人であり、真に有能というわけではないことがポイントです。
自分の善人さ・有能さを知らせることで、他人から良い評価を得ようとしているのであって、素で善行を行い、真に有能な行いをしているわけではないことを見抜けることが大切です。
なぜなら、この手の人は、人に見られていないところ、自分にとってメリットにならないところでは、善行や有能な行動をしないという特徴があるからです。
善人さ、有能さをさらす人は、人目につかないところや、結果が非公開になるところでは、善行や有能な行いをしなくなります。
会議において、上司などの評価者がいるときは、たくさんアイデアを出して積極的に発言するくせに、同僚だけの会議になると、まったくアイデアを出さないという人もいます。
評価されるべきは、誰かに見られていようが、見られていまいが、素の自分で善行や有能な行動ができる人です。
善人さ・有能さを人目にさらさないと、善行や有能な行動をしない人は、評価されるべきではありません。
「善人さ・有能さを人目にさらそうとする人」に関する調査
中国の研究者が、銀行の窓口係員の昇進の調査を行いました。
ある銀行において、どれくらい人助けの行為(自分には関係のない仕事を手伝い、ほかの人の仕事の負担を減らすなど)をしたかを評価項目に掲げ、人助けを多く行った窓口係員70人を昇進させました。
その結果、銀行は後悔する結果をむかえました。
昇進した70人の窓口係員のうち、33人は昇進したあとも、変わらず人助けを続けました。
しかし、残りの37人は、昇格したとたん人助けをやめました。
この37人は、自分の評価を上げるために、「善人さ・有能さを人目にさらそうとする人」だったということです。
まとめ
会社やチームの人事や、パートナー選びにおいて、相手が、
『素の状態で善行を行い、有能さを発揮しているのか』
それとも
『自分の評価を上げるために、善人さ・有能さを人目にさらそうとしているのか』
を見極める必要があります。
善人さ・有能さを見せられることで、その人が善人で有能だと勘違いし、誤った人選を行ってしまうと、優れた組織や、良い人間関係を築くことはできません。
ダメな人を組織の上の方に置いたり、ダメな人と組んだときの組織や人間関係を崩壊させる破壊力はすさまじいものがあります。
くれぐれも注意が必要です。