前回の記事の続きです。

常習特殊窃盗・常習累犯窃盗と他罪との関係

 以下では、常習特殊窃盗罪と常習累犯窃盗罪のことを、常習窃盗といいます。

窃盗罪との関係

 常習性の発現とはいえない窃取行為は、常習窃盗の罪には包摂されません。

 とはいえ、その窃取行為が、常習窃盗とは別個の単純窃盗罪(刑法235条)を構成し、常習窃盗と併合罪の関係に立つと解すると、常習窃盗と窃盗罪の2つの罪で処罰されることになり、かえって処断刑が重くなって犯人に不利益になります。

 そのため、その単純窃盗は、常習窃盗に吸収されるとする裁判例があります(福岡高裁宮崎支判例 昭和33年4月18日)。

窃盗目的住居侵入罪との関係

 常習窃盗を犯す目的で住居侵入を行った場合には、実際に窃盗行為にまで進んだ場合であれ、窃盗行為にまで進まなかった場合であれ、住居侵入罪は、常習窃盗と一罪の関係にあり、別罪を構成しません(最高裁判例 昭和55年12月23日)。

侵入具携帯罪との関係

 機会を異にして犯された常習累犯窃盗と侵入具携帯(軽犯罪法1条3号)の両罪は、侵入具携帯が常習性の発現と認められる窃盗を目的とするものであったとしても、併合罪の関係になります(最高裁判例 昭和62年2月23日)。

 侵入具携帯は、常習累犯窃盗罪に吸収されず、常習累犯窃盗罪とは独立した罪として成立するということです。

 この場合、侵入具携帯と常習累犯窃盗罪の2つの罪名で起訴されて裁判を受けることになります。

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