刑法(親族相盗例)

親族相盗例(12) ~「親族相盗例は森林窃盗の罪にも適用される」を説明

 前回の記事の続きです。

親族相盗例は森林窃盗の罪にも適用される

 親族相盗例(刑法244条)が、森林法197条、198条の森林窃盗の罪についても適用又は準用されるかという問題があります。

 この問題について、判例は、親族相盗例は森林窃盗の罪にも適用されるとしています。

最高裁判決(昭和33年2月4日)

 裁判所は、

  • 刑法244条に「235条の罪及びその遂罪」とあるのは「窃盗罪及びその未遂罪」の義にほかならないから、特別法に定める窃盗罪についても格段の定めがないかぎり、その適用を除外すべき理由はない
  • そしてまた森林法197条に定める森林窃盗罪は、刑法に定める窃盗罪に比し法定刑において軽く定められているけれども、そのことをもって直ちに右刑法244条の適用を否定する理由とするに足りない
  • されば本件被告人の森林窃盗の罪について刑法244条の適用がないとした原審の解釈は誤りである

と判示し、森林窃盗の罪に親族相盗例を適用することを肯定しました。

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