脅迫罪の既遂時期(一般に人を畏怖させるに足りる程度の害悪を告知した時)
脅迫行為(一般に人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知)をした時
です。
脅迫罪は、いわゆる表示犯であり、害悪の告知を表示した段階で犯罪が完了します。
害悪の通知をしても、相手がそれを了知しない場合は脅迫罪は成立しない
脅迫罪の既遂時期は、『脅迫行為(一般に人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知)をした時』ですが、害悪の告知をしても、相手がそれを了知しない場合には、脅迫罪は成立しません。
逆に言えば、相手が害悪の告知を了知すれば脅迫罪は成立するので、相手がどのように害悪の告知を了知しても構わず、了知に至る経過は、犯人の意図したものでなくてもよいです。
この点について、参考となる事例として、以下の判例があります。
大審院判決(大正8年5月26日)
犯人が脅迫状を掲示場の端に掛けておいたところ、第三者がたまたま脅迫状を発見して、脅迫状を被害者に届けて被害者が害悪の告知を了知した事案で、脅迫罪の成立を認めました。
脅迫罪に未遂はない
脅迫罪に未遂の規定はありません。
なので、脅迫未遂罪という概念はなく、脅迫罪の未遂は不可罰になります。
脅迫罪が既遂に達しない場合には、犯罪を構成しないことになります。