人は、ギブ・アンド・テイクの関係において、ギバー、テイカー、マッチャーの3タイプに分類されます。
今回は、ギバー、テイカー、マッチャーについて書きます。
ギバーとは
ギバーとは「与える人」です。
ギバーは、見返りを期待するとなく、相手を助けます。
自分の損失よりも、相手の喜びや利益を優先します。
ギバーは、自分の時間、労力、知識を惜しみなく相手に与えます。
テイカーとは
テイカーとは、相手から搾取して奪う人です。
テイカーは、
- 相手に与えるよりも多くを受け取ろうとする
- 得られる利益が損失を上回る場合に限り、相手の有利になるように協力する
- 相手との関係を、自分の有利になるようにもっていき、相手の利益よりも自分の利益を優先する
人たちです。
人は、優越性を追求する本能を持っているので、他人より優越的でありたいという衝動に駆られます。
なので、他人より多くの利を得ようと欲するのは、本能に従えば、自然なことではあります。
テイカーは、自分の欲に従順な人たちといえます。
ただ、他人のことなど知ったことではなく、支配して搾取しようとするところに悪性があります。
マッチャーとは
マッチャーとは、「与えること」と「受け取ること」のバランスをとろうとする人です。
ギバーのように自分の身を削って与えることはしない一方で、テイカーのように相手より得をしようとはしません。
マッチャーの中心的な価値観は、公平性、平等、ギブ アンド テイクの関係だからです。
マッチャーは、相手の出方に合わせて、ギバーを助けたり、あるいは、テイカーに罰を与え、ギブとテイクを五分五分に保ちます。
また、ギバーの寛大さに報い、公平性を破るテイカーを懲らしめます。
世の中のほとんどの人がマッチャーにポジションを取っています。
ギバー、テイカー、マッチャーで成功可能性が変わる
ギバー、テイカー、マッチャーの3タイプのどれであるかによって、成功の可能性は違ってくることが分かっています。
まず、もっとも成功しないのは、残念ながら、ギバーです。
ギバーは、相手の利益を優先して、割を食うため、成功からもっとも遠ざかってしまうのです。
では、もっとも成功を収めるのは、テイカーでしょうか?それともマッチャーでしょうか?
答えは、もっとも成功するのもギバーなのです。
ギバーは、与えることで、
- 信頼を築き
- 評判と尊敬を高め
- 長続きする仲間を集め
- 自分の可能性を広げ
- 全体を利益を大きくする
ことができるので、成功しやすくなるのです。
『最も成功する人と、もっとも成功しない人はギバーである。そして、テイカーとマッチャーは、ほどほどに留まる』という結果になります。
成功するギバーと成功しないギバーの違いは何か?
成功するギバーと成功しないギバーを分ける要素は、
与える人を選んでいるか
にあります。
誰それ構わず与える人は、テイカーにたかられ、テイカーの養分になってしまうため、日の目を見ることはありません。
テイカーは、鋭い嗅覚で、支配して搾取できる人間を常に探しているので、バカでお人好しのギバーを見つければ、マウントをとって悦にひたりながら、ギバーのエネルギーを吸い尽くします。
これにより、成功からもっとも遠いギバーが出来上がります。
これに対し、成功するギバーは、与える相手を選びます。
バカでクズで、自分を地獄に突き落とす人間かどうかの見極めをきちんとし、そのような相手とは徹底的に距離をとり、防御態勢をとることができます。
これをやることより、テイカーを排除し、しかるべき人にだけ与えることができ、利益を大きくする循環を作ることができるため、成功をたぐりよせるのです。
ギバーは、関係をもつ人を選べるかどうかで、成功するギバーにもなれば、搾取されるギバーにもなるのです。
【余談】私は、搾取されるバカでお人好しなギバーだった
私は、20代前半のころ、『成功するには、まずは自分から与えることだ』という教えを受け、衝撃を受けました。
否定の精神をもつ親に育てられた私は、今まで、『自分から与える』なんて概念があることを考えもしなかったからです。
当時の私は、「これだ!『自分から与える』ことを実践すれば、成功者になれるかもしれない!」と本気で思ったことを覚えています。
以来、3~4年間くらい、『まずは自分から与える』という概念を、強迫観念のレベルで実行しました。
結果、周囲から良い評価を受けるというプラスもありましたが、精神を消耗して苦しむというマイナスもありました。
今考えれば、『搾取されるバカでお人好しなギバー』をやっていたなぁという自覚があります。
そのせいか、自分の人生の代表的な過ちを明確に定義できるようになりました。
自分の人生の代表的な過ちとは、『交流を持つべきでない人間を、そうと認識して選別することができず、交流を持ってしまったこと』です。
今では、「コイツと絡んで消耗して苦しむ必要はなかったな」と自分を顧みることができるようになりましたし、「コイツと絡むのはやめよう」と判断をつけることができるようにもなりました。
子どもの頃に、学校の先生から教えてもらった「誰とでも仲良くしょう」という教えは、学校教育に都合の良い洗脳だったことも今なら分かります。
私は、「交流を持つ人・付き合う人(自分の資源を与える人)は、シビアな目をもって選ばなければならない」ということに確信をもつようになりました。
ギバーとして生きるのであれば、付き合う人を選び、それを徹底する能力は必須です。
邪悪なテイカーや、精神性がクズで頭の悪い人と絡んで、エネルギーと時間を消耗するようなことを慢性的にやってしまうのであれば、この先、高揚感や充実感を感じることができる幸福な人生を獲得することはできないと思います。
テイカーには対策をせよ
テイカーとは一切絡まない
ギバーが自分の身を守るためには、テイカーとは交流をもたないことが重要です。
テイカーを目の前にしたら、心を閉ざして交流を拒み、協力もサービス提供もしないことで、自己防衛をするのです。
テイカーは、こうされないように、化けの皮をかぶって近づいてきます。
テイカーは、最初は寛大に振る舞い、ギバーやマッチャーを装って、相手の心に付け込もうとします。
最初にこびへつらい、相手に付け込もうとすることに関しては、テイカーは一流の詐欺師なので、やすやすと騙されてはいけません。
テイカーの見分け方
相手がテイカーかどうかは、
テイカーが、自分自身にまったく利益をもたらさない人間をどう扱っているか
を観察することで判別できます。
仕事であれば、後輩や部下などの弱い立場の人に対して、どのような態度をとっているかを見るとよいです。
人は、自分より弱い者と対峙したときに、生来の傾向が表に出やすくなるからです。
後輩や部下などの弱い立場の人に対して、マウントをとろうとしたり、誹謗中傷で悦に浸ったりする性向が垣間見える人は、テイカーの可能性が高いです。
テイカーは、支配力を手にすると、弱い立場の人にどう思われるかを気にしなくなり、彼らにぞんざいな態度をとるようになります。
共感力が低下し、利己的な目的を追求し始め、弱い立場の人を冷遇し始めるのです。
テイカーを駆逐する方法
悪質なテイカーが一人いるだけで、チームや組織は崩壊します。
悪質なテイカーにとり憑かれると、精神をやられ、人生が台無しになります。
なので、悪質なテイカーは駆逐しなければなりません。
テイカーを駆逐する方法は、「評判情報」(うさわ)を共有することです。
うわさ話は、効果の高い処罰形態です。
テイカーの評判情報を共有すれば、ほかの人が、テイカーに利用されることを防ぐことができます。
テイカーの情報を手に入れることができた人は、テイカーを信頼しなくなります。
テイカーは、評判情報を広められると、今ある人間関係が断たれ、新たな関係も築けなくなります。
テイカーが弱い立場の者を冷遇したときは、うわさの流布により、評価をガタ落ちにさせることが有効です。
テイカーは駆逐しなければなりません。
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